1. 「琉球の横顔」 アーティスト紹介:仁添まりな

「琉球の横顔」 アーティスト紹介:仁添まりな

仁添まりな Marina NIZOE
1993 年、沖縄県北谷町生まれ。2010 年、沖縄県立芸術大学美術工芸学部絵画専攻(日本画コース)に入学。日本画を学びながら、学部3 年次から琉球絵画の研究を始める。2021 年に同大学院博士課程を修了し、現在は沖縄県立芸術大学の非常勤講師として働きながら県内外で作家活動を行っている。「琉球絵画の花鳥楽園」を一貫したテーマとして扱う。中国の影響を受けた琉球絵画の花鳥画には、中国から伝来した花と鳥の吉祥を意味する組み合わせが多く取り入れられ、人々の願いを込めて描かれていたことに関心を抱き、現代に通じる吉祥画題として、自らの作品にアレンジを加えながら取り入れている。琉球絵画の描法を積極的に取り入れ、伝統的な吉祥の画題を、現代の琉球絵画で描く楽園として制作していくことで、伝統と革新を試みている。


仁添まりな《人魚塚》2018年
Marina NIZOE, Mermaid tomb, 2018

【作家による作品解説】
新城島にある磯御嶽から着想を得た。かつて新城島は、琉球王府から人頭税としてジュゴンの干し肉を上納しており、豊漁を願う為、御嶽にジュゴンの頭蓋骨を祀った歴史をもつ。ジュゴンの霊が阿弥陀の浄土のような蓮の池を泳ぎ、インドクジャクがそれを見守っている場面を描いた。新城島では、外来種のインドクジャクが野生化し、増えすぎたために、2006年から2009年にかけて駆除された経緯がある。在来の生態系を守る観点から駆除されたことに異議を唱えるつもりは毛頭無いのだが、このような事が今後おきないために、駆除されたインドクジャクがいた事を忘れてはならないと思う。生態系が変われば、環境が変わる。環境が変われば、歴史が変わる。それは良い事もあれば悪い事もある。今日見た景色は、明日なくなるかもしれない。なくした後、私たちには何が残るのだろうか。 

「琉球の横顔」出品作家

◇ 池原清子
◇ 久場とよ
◇ 中島イソ子
◇ 西村立子
◇ 上原よし
◇ 砂川喜代
石垣克子
◇ ローラ・キナ
◇ エミリー・ハナコ・モモハラ
◇ 喜屋武千恵
◇ 山川さやか
◇ 遠藤薫
胡宮ゆきな
◇ 泉川のはな
寺田健人
◇ 仁添まりな

琉球の横顔 ― 描かれた「私」からの出発 WEBサイト

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