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たくさんの穴が開いたような四角、星や花のような模様、真ん中に描かれているのは人のようにも見えます。
タイトルのタイムズ・スクエアからも分かるように、この作品を描いた当時、小橋川はニューヨークで制作をしていました。
画面いっぱいに描かれた色鮮やかなモチーフからは、賑やかな街の様子が想像できるだけでなく、街の音までも聞こえてくるようです。
1917年アメリカ合衆国アリゾナ州で生まれた小橋川は、沖縄出身の両親を持つ日系2世です。
3歳から沖縄で過ごしますが、15歳になると出稼ぎのため再びアメリカに戻り、第二次世界大戦中は日本人収容所で生活を送ります。
収容中に行われたアメリカへの忠誠心を測るテストで不合格となり、市民権を剥奪されました。
しかし、戦後に市民権を再取得し、活動の拠点をニューヨークに移します。
生涯で1万点もの作品を残した小橋川は、1960年から1970年頃、最も多くの作品を描いています。
この作品は、その頃描かれた「N・Y・Cシリーズ」の一つです。