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頭から布を被り、裸足で走る女性。
大事そうに抱えているのは、赤ん坊なのでしょうか。
大きな手で、しっかりと抱きかかえています。
懸命に走る姿は、何かから逃げる痛烈な状況を暗示させます。
しかしその表情は落ち着き、とても冷静です。
作者の宮良は、沖縄の女性や、苦難を強いられる人々を描き、反戦や平和をテーマとした作品を制作し続けています。
「いのち」という題がつけられたこの作品。
大切なものを、まさに命がけで守ろうとしている女性の精神的な逞しさが、切実に伝わってくるようです。