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青い空、青い海、白い砂浜にビーチパラソル。
太陽が燦々と降り注ぎ、南国リゾートを思わせる風景です。
しかしビーチパラソルの下で休んでいるのは人ではなく、牛の頭の骨です。
川平によると、これは闘牛の骨で、負けて戦う気力をなくしたために処分されたものだといいます。
沖縄が日本へ復帰し、1975年に沖縄国際海洋博覧会が開催されることが決まると、
道路やリゾートホテルの建設といった、観光のための基盤整備が急速に進められました。
沖縄が観光地化していく状況の中、川平は、沖縄戦や日本本土復帰といった歴史的な出来事に打ちひしがれた沖縄の姿を牛の骨に重ね、
挫折感や失望といった心境を表現しているかのようです。