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緑や青、赤色の霧に包まれた中を、女性たちが歩いています。
着物を着て、頭には白い鉢巻きをしている姿から、伝統的な祀りの一場面なのでしょう。
しかし、画面の奥へと歩く彼女たちの足は緑色を帯び、透けているように見えます。
そして、列の先頭に行くに従って体からは色が抜けていき、一番前を歩く女性は全身が白くなっています。
この世ではない、どこか異世界へ向かっているようです。
作者の金城は、沖縄が本土へ復帰した1972年にこの作品を描きました。
沖縄が今後どうなっていくのか、言い知れない不安を描いたのかもしれません。