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戦後沖縄で、彫刻家による大きな活動が現れたのは、1963年、玉那覇を中心とした彫刻研究会「槐会」が発足してからです。
彫刻を志望する若者を集め、研究や展覧会を開催し、沖縄で初めて彫刻作品によるグループ展を開催しました。
また、玉那覇は那覇市役所の《シーサー》や、名護小学校の《のぞみの像》など、公共彫刻を共同で制作しました。
このような彫刻の制作については、槐会のメンバーによる支援が大きな助けとなりました。
当時、彫刻の材料がままならなかった時代、玉那覇はすぐ入手できるモルタルで彫刻作品を制作しました。
彫刻の型となる石膏は高価なため、安価なモルタルが使用されたと思われます。
そのような中、玉那覇を中心とした槐会の活動は、それぞれが独自の作品を制作し、刺激し合いながら第9回まで開催されました。
槐会の活動は、沖縄における彫刻の啓蒙に影響を与えました。
この彫刻「老母像」はレプリカとなっています。
ぜひ、直接手を触れ、作品の質感や凹凸などを確かめてみてください。