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「クムイの淵に立つ巨人―山城見信」(2026.9.19~2027.3.28)音声ガイド30

30《極楽トンボ(Ⅱ) Dragonflies in the Depth》(1:35)

 
こちらのヘッドフォンマークをクリックしてお聴きください。
 
《極楽トンボ(Ⅱ)Dragonflies in the Depth》は、1990年から91年のアクリル作品です。
高さ188.2センチ、幅233.8センチ。
サンゴ片や砂、エアブラシなどの実験を経て、1991年の読谷村立美術館での個展に結実した「極楽トンボ」シリーズの中核をなします。
 
複雑な線の間に、黒、白、紫、橙が形を成しています。
題名の「Depth」、深さが示すように、水底や心の暗い層をのぞくような画面です。
そこにトンボの羽ばたきを思わせる線が重なり、深さと浮遊、重さと軽さが共存しています。
 
明るい題名とは対照的に、傷のような痕跡は、生の苦しみや死の記憶を思わせます。
山城は異なる素材や技法をぶつけ、ズレや不連続性を「絵のひずみ」として大切にしました。
素材の実験から心の深層へ向かった転換期の作品です。闇に差す線は、痛みと希望を映すようにも見えます。
画面の深さと、軽やかな線の響きを感じ取ってみてください。
 
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