5-03《3.7d グリーン》 上原 美智子 (1:39)
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上原美智子《3.7d グリーン》は、2000年の織の作品です。
本展第5章「身体を紡ぐ、身体を語る」を象徴しています。
上原は絹や苧麻(ちょま)を素材に、糸の細さ、張り、光沢を追求し、織を「身体の記憶」として提示してきました。
「3.7d」は、糸の太さを表すデニールの数値です。
わずかな力でも切れるほど細い糸を織るには、研ぎ澄まされた身体感覚が必要です。
緑の面は、光の角度によって微妙に表情を変えます。
模様や図像の代わりに、糸の張り、織りのリズム、素材に刻まれた時間が表現となっています。
織ることは、時間であり、記憶です。
苧麻を刈り、繊維をほぐし、糸を績み、織り上げる営みは、女性たちの労働や暮らし、身体の歴史と結びついています。
本作は、そうした見えにくい歴史を目に見えるかたちにしました。
工芸と美術の境界を越え、身体の記憶と土地の時間を織り込む表現です。
光と糸が生み出す繊細な変化をご覧ください。