3-19《寒い春》 喜久村 徳男 (1:31)
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喜久村徳男《寒い春》は、1980年のアクリル作品です。
戦後沖縄美術の問いが、「沖縄とは何か」から「私は誰か」へと移る時期を象徴しています。
青、灰色、白の抽象的な色面が重なり、冷たい風が吹き抜けるようです。
鋭い筆致と、震えるような色の境界が、画面に緊張感を生み出しています。
描かれているのは風景や人物ではなく、「心の状態」そのものです。
1970年代後半から1980年代、沖縄は復帰後の新たな現実に直面しました。
喜久村は、そのアイデンティティの揺らぎを抽象絵画で表現します。
春は再生や始まりの季節ですが、この春は寒い。
題名には、希望と不安、期待と戸惑い、前進と停滞が重なっています。
外からの視線ではなく、内なる心を描いた本作は、現代沖縄美術の出発点のひとつです。
震える色が語る「心の春」を感じ取ってみてください。