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海の底で、穏やかな表情を浮かべて立つ女性。
腕が5本あり、それぞれに麦や粟、稲といった穀物と、白い壺を持っています。
背後には草を笛のように吹いている女性が描かれており、その足をよく見ると海藻と一体化しています。
この作品は、沖縄の神話で、本島東南に位置する久高島に5つの穀物が入った壺が流れ着き、そこから本島全域に穀物が広がっていったという話が元になっています。
戦前から画家として活躍していた大城は、時代とともに画風やテーマを変化させてきました。
1967年頃からは沖縄の神話や祭をメルヘンタッチで描くようになります。
この作品はその頃の代表作で、恵み豊かな海の様子が、大城の特徴である爽やかな色彩で表現されています。