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「クムイの淵に立つ巨人―山城見信」(2026.9.19~2027.3.28)音声ガイド24

24《沼(クムイ)・未生のものたちへ》  (1:38)

 
こちらのヘッドフォンマークをクリックしてお聴きください。
 
《沼(クムイ)・未生のものたちへ》は、1988年の油彩です。
高さ194センチ、幅391.5センチの大作で、同年9月、県民ギャラリーで開かれた第10回個展「クムイを編む」の頃に生まれました。
シルクロードの旅を経た1982年の個展で探った光や風から、生命の根源へと関心が深まった時期の作品です。
 
青、緑、黄、白の線が連なる画面は、垂直に分割され、異なる技法が重ねられています。
絵具を吹き流し、垂らし、指ではじき、キャンバスを傾ける。
山城は身体で絵具の動きを導き、偶然と制御がせめぎ合う画面をつくりました。
 
山城にとってクムイは、生命が生まれ、死へと還る「小宇宙」でした。
戦時中の抑圧や閉ざされた空間の記憶も、創作に影響したと考えられます。
縦に分かれた画面は、記憶の層を切り開く試みだったのかもしれません。
「未生のものたち」は、まだ形をもたない存在への予感を伝えます。
このシリーズから、山城はより内面的で有機的な世界へ向かいました。
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