胡宮ゆきな Yukina KOMIYA
沖縄県生まれ。2012年、沖縄県立芸術大学大学院造形芸術研究科を修了。2013年より、国内外の多数の展覧会で作品を発表。現在、台湾在住。
父方の祖父は中国人で、祖母は台湾人。ベトナム戦争の時(1960年代)に、華僑として沖縄へ渡ってきて、テーラー業を営み生計を立てた。母方の家系は沖縄である。幼い頃から沖縄で生活しながら、中国、台湾、アメリカの影響を受け成長した。
自らの家族の歴史を調査しつつ、作品化している。家族のために制作するとき、作品は沖縄に繋がり、台湾に繋がり、中国、アメリカに繋がる。一家族の歴史が、世界の歴史を呼吸させていることを思い、制作している。
【作家による作品解説】
台湾の夜市で初めて、鳩と銃の形が同じ袋に入った人形焼を食べたところから、アイディアは始まる。他にもバイクや鶏、豚、象などが入り混じっているその袋の中身はまるで世界の縮図のようだった。
台湾で制作したこのバルーン作品は、台湾人の縫い子さんの手によって形が作られた。 工場で縫い子さんとバルーンの仕上がりを確認しあっている時、テーラー職人であった祖父母の姿と重なった。 そんな淡い記憶に空気を入れ呼吸させる。
土嚢袋に入った土で重石をする。飛んで行ってしまわない様に、その場所、土地で繋ぎ止める。空気を入れ続けないと萎んでしまうバルーンの様に、平和と呼ばれるものは、形が無いけれども誰かの頑張りや犠牲によって成り立っている。
沖縄県立博物館・美術館
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