1. 「琉球の横顔」 アーティスト紹介:遠藤薫

「琉球の横顔」 アーティスト紹介:遠藤薫

遠藤薫 Kaori ENDO
1989 年、大阪府生まれ。2013年、沖縄県立芸術大学工芸専攻染織科卒業。2016年、志村ふくみ(紬織重要無形文化財保持者)主催アルスシムラ卒業。出身地である関西をはじめ、沖縄、そしてベトナム・ハノイなど拠点を移動しながら、国内外でアーティスト活動を行う。世界中のボロ布を集め、修復、再構成、使用する過程を作品化し、主として工芸的なるものと社会の関わりをテーマとした活動を続けている。テキスタイルに市井の人々の記憶、生活から切り離せない政治、歴史的背景、戦争などが織り込まれていると考え、それらを制作工程の記録や作品の使用といった方法で紐解いてゆく。インタストレーションやパフォーマンス、プロジェクト型など多様な表現形態を織り交ぜた作品を発表している。


遠藤薫《火炎瓶/ コーラ/ 沖縄/ 1945》2021年
Kaori ENDO, Molotov cocktail / Coke /Okinawa /1945, 2021


 

【作家による作品解説】
作品《火炎瓶/ コーラ/ 沖縄/ 1945(Molotov cocktail / Coke /Okinawa /1945)》は『琉球泡ガラスのコカコーラ瓶』である。

材料: 沖縄のガマや海から掘り起こされた1945年のコーラ瓶、首里城の灰、辺野古の赤土、嘉手納基地黙認道路の赤土、珊瑚、黒糖。

・『コーラ瓶の再生ガラス』
戦後直後、米兵の捨てたコーラの瓶は真っ二つに切断され、下部はコップとして島中で利用された。
その後、空き瓶は再利用され、再利用であるが故に気泡が入ってしまうその欠点をむしろ強みに変えるべく、黒糖や籾殻、魚の骨などを混ぜ入れ、泡を発生させた。
それが、昨今の琉球泡ガラスの始まりとされる。

・『コザ暴動の火炎瓶』
1970年沖縄市、当時のコザ市にて起きた暴動。
米兵が主婦を車両で殺害した事件に無罪判決が下された。
その判決に対し、沖縄の住民が抗議の意味で投げたのは“コーラの火炎瓶”だった。

                      『琉球泡ガラスのコーラ瓶』、その造形には工芸の両犠牲が含まれている。
 

「琉球の横顔」出品作家

池原清子久場とよ中島イソ子西村立子上原よし砂川喜代石垣克子ローラ・キナエミリー・ハナコ・モモハラ喜屋武千恵山川さやか遠藤薫胡宮ゆきな泉川のはな寺田健人仁添まりな

琉球の横顔 ― 描かれた「私」からの出発 WEBサイト

このページについてのお問い合わせ

沖縄県立博物館・美術館
〒900-0006 沖縄県那覇市おもろまち3丁目1番1号
TEL:098-941-8200   FAX:098-941-2392

シェアしてみゅー

TOP