ローラ・キナ Laura KINA
1973年、カリフォルニア州生まれ。父はハワイ出身の沖縄三世、母はバスクとアングロ白人系である。2001年、イリノイ大学創作芸術修士号取得。現在、デポール大学(シカゴ)芸術メディアデザイン学科教授。
キナの作品は、異なる文化間における距離や所属、流動性の問題、そしてアイデンティティの滑りやすさをテーマにしている。沖縄とハワイのディアスポラと混血に関する表象は、彼女の作品に流れるテーマとなっている。自伝的な事柄を出発点として、ポップカルチャーやテキスタイルデザイン、個人や共同体の写真資料、オーラルヒストリーのインタビューからインスピレーションを得て制作している。
彼女は関連するイメージや物語、歴史を集め、何が失われ、何が語られていないのか、何が明らかになっていないのかを考えている。失われた断片を取り戻し、それらを組み合わせたときに起る、重複や融合、分離、ずれ、共振に興味を持っている。
【作家による作品解説】
ウチナーンチュ・シリーズ(2015-2016年)は、テキスタイルをベースとした絵画作品で、混血であり県系4世である私が、アジアン・アメリカンで白人であること、沖縄のディアスポラであることへの近さと遠さを考察し、生まれ持ったアイデンティティとコミュニティについて考察した作品である。出発点としてパッチワークの形を使うことで、このシリーズは、母方の曾祖母から習ったアメリカ南部の田舎の伝統と、父方の文化遺産に言及した日本のボロ布とハワイのキルトを参考にしている。そして現代のフェミニズムと手工芸の実践も参考にしている。
沖縄県立博物館・美術館
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