沖縄県では、2020年2月に最初の新型コロナウイルス感染症の確定例が報告されてから3年余りが経過し、2023年2月以降、流行は小康状態が続いています。
新型コロナウイルスが猛威をふるった3年間、私たちの社会は深刻な打撃を受けました。沖縄県立博物館・美術館の活動も大きな制限を受け、2020年から2021年にかけて4度の臨時休館を経験しました(図1)。こうした措置に伴って、2020~2021年度に開催された30本の特別展・企画展・コレクション展のうち、13本が会期の変更(短縮・延期)を余儀なくされ、そのうち半分ほどが会期途中での閉鎖を経験しました。
図1 沖縄県の新型コロナ感染者数の推移・対策と博物館・美術館の動向
毎年開催してきた離島での移動展も、2020、2021年は中止となりました。ワークショップ等への影響も大きく、ふれあい体験室は2020年3月の閉鎖から一時的な再開を挟みながらも2年半以上休止し、昨年11月にようやく再開しました。ボランティア養成講座は2年間停止、学生向けに実施している学芸員実習は、期間や規模を制限して実施せざるを得ませんでした。文化講座やキュレータートークといった各種イベント等についても中止になったものや、オンラインでの配信に移行したものが多くありました。 入館者数も2019年度の57.7万人に対して、2020年度は15.6万人、2021年度は13.9万人と1/4ほどに激減しましたが、2022年度以降、回復傾向にあります(図2)。
図2 年間入館者数の年次推移
コロナ禍の中、博物館・美術館の日々の社会教育活動をいかに持続していくかが問われた3年間でした。博物館・美術館は、皆様のご理解とご支援・ご協力のもとになりたっています。本パネル展が、多くの方々に活動の一端を知っていただく機会となることを願っています。
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