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博物館 特別展2019年11月19日(火) ~ 2020年01月19日(日)
勝連グスク〈沖縄県うるま市〉
2000年にユネスコの世界遺産として登録され、国内外から多くの観光客が訪れている「琉球王国のグスク及び関連遺産群」。
登録から20周年を迎える2020年を前に、改めて「グスクとは何か?」を徹底解剖する特別展を開催します。
世界遺産に登録されているグスクを始め、琉球列島各地に点在する「グスク」について、近年における発掘調査の成果を交えつつ「グスクがかつてどのような役割を果たしていたのか?」を再現し、現在では想像がつかない600年前の琉球の姿を描き出す試みです。
グスクには沖縄の人々が敬い奉る拝所があり、規模の大きいグスクは城郭としての性格が強く見ることができ、さらにはグスクからは人々の暮らした痕跡が今も埋もれています。このように様々な顔を持っているグスクは沖縄の歴史を紐解く上では重要な遺産として見ることができます。本展覧会ではこの深遠なるグスクの世界を皆さんに紹介していきます。
与論グスク〈鹿児島県大島郡与論町〉
グスクを拠り所とする按司(琉球諸島に存在した権力者)はどのようにして発生してきたのか? 11世紀後半~13世紀の集落遺跡の展開をなぞりながら、「グスク」が成立するまでの道程を読み解きます。
グスクが成立し、対外交易が活発化していくことで、多くの人々が琉球列島各地を行き来するようになっていき、時代が変容する様をご紹介します。
座喜味グスク〈沖縄県中頭郡読谷村〉
14世紀に入ると石積みや堀切を用いた防御的な遺跡が多く出現します。
「グスク」と呼ばれるそれらの多くは、現在でも遺構を確認でき高く積まれた石積みなどから高度な防御性を有していることがわかります。
このようなグスクの特徴から琉球列島において激しい争いを通して首長である按司が権力を増大化させ、やがて国家へと発展していくことが研究者によって考察されています。
第2章では大規模かつ巧みな防御施設としての「グスク」の実態を解剖します。
火矢(ひゃー)〈沖縄県立博物館・美術館蔵〉
グスクが他の遺跡と大きく異なるのは争いの姿が色濃く見られる点にあります。
グスクからは鎧(よろい)金具や刀装具、鏃(やじり)といった武器、武具類や石弾(せきだん)などが出土しており、生々しい戦いの様相を浮かび上がらせます。
グスクから出土した遺物から「琉球戦国時代」を見ていきます。
勝連グスクから出土した銅銭〈沖縄県立博物館・美術館蔵〉
グスクは争いの姿だけを留めている訳ではなく、地域の首長・按司が自らの権威を具現化するための装置としての性格も有していました。
そのために海外諸地域から搬入した希少な陶磁器類や建物を飾る道具類が発掘調査で出土しています。
また、グスク内部に葬られた人の姿から、当時の権力者の様子を垣間見ます。
玉城グスク〈沖縄県南城市〉
現在、グスクを訪れると御嶽(ウタキ)などの祈りの場に遭遇します。グスクにみられる祈りの場はグスク時代まで遡ることができ、現在でもその機能が残されています。
第5章では「祈りの場」としてのグスクにスポットを当て、グスクと拝所との深い関係性を読み解きます。
戦前に撮影された屋良座森グスク〈沖縄県立博物館・美術館蔵〉
首長の居城としての役割が終焉したグスクは、完全にその存在が忘れ去られたわけではありませんでした。
グスク時代終焉後の近世や近代において、文書や絵画、古写真、映像など様々な形でその姿が記録されています。
この章では、それぞれ目的をもって記録された史料から、どのような形でグスクの姿が伝えられてきたのかについて触れます。
知念グスク〈沖縄県南城市〉
今後のグスク研究の展望、そしてグスクの公開活用についての新たな試みを紹介します。
また、グスクの史跡整備事業が進められていく中で、グスクを後世にどう伝えていくのか、について考察します。
会期 | 2019年11月19日(火) ~ 2020年01月19日(日) |
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場所 | 特別展示室1,特別展示室2,企画展示室 |
観覧料 |
〈一般〉¥1,100(¥950) 〈高・大〉¥600(¥500) 〈小・中〉¥300(¥240) ※( )内は前売および20名以上の団体料金です。 ※障がい者手帳、療育手帳をお持ちの方と介助者1名は当日料金の半額。 |
開館時間 | 9:00~18:00(金・土は20:00まで) ※入場は閉館の30分前まで |
休館日 | 毎週月曜日、年末年始、1/14(火) ※ただし1/13(月)は開館 |
主催 | 沖縄県立博物館・美術館 |
特別協賛 | 伊平屋村教育委員会、宜野湾市教育委員会、琉球大学工学部知能情報コース 赤嶺研究室、(株)NTTドコモ、シーバーズ・スタジオ |
協力 | 沖縄県教育委員会、沖縄県立図書館、今帰仁村教育委員会、恩納村教育委員会、うるま市教育委員会、沖縄市教育委員会、読谷村教育委員会、中城村教育委員会、浦添市教育委員会、那覇市立歴史博物館、南城市教育委員会、八重瀬町教育委員会、糸満市教育委員会、久米島町教育委員会、浦添市立図書館、喜界町教育委員会、伊仙町教育委員会、与論町教育委員会、国立歴史民俗博物館 |
後援 | 琉球新報、沖縄タイムス、南海日々新聞、奄美新聞、琉球放送、琉球朝日放送、沖縄テレビ、NHK沖縄、FM沖縄、沖縄考古学会、沖縄・琉球歴史学会、沖縄県教育委員会 |