しかし、当館が実施している「琉球王国文化遺産集積・再興事業」において、これは飛虎なのではないか!?という資料に出くわしました。それが玉陵(たまうどぅん)の勾欄羽目(こうらんはめ)です。この羽目板は参考資料などではコウモリとして紹介されていますが、復元をする際に「コウモリにしては紅型(びんがた)や漆器に表現される姿形と違いすぎる」という話になり、文様の再検証も兼ねて現地で拓本を採ることになりました。すると、長年の風雨で摩耗し肉眼では見えなくなっていたタテガミや翼の先についた手が何かを握っていることがわかりました。これにより、長らくコウモリとされていたこの羽目板は、もしかすると飛虎なのではないかということになりました。
石という素材は、非常に強い耐久性を持つ素材です。そのため、玉陵は( 後補や修理は入っていますが)500 年以上たっても姿形を保っています。そこにあしらわれる文様は、古琉球期の文様や意匠を残している可能性があるため、石彫刻の情報を集めることは琉球の古い時代の美を知る一つの手がかりになるかもしれません。そして、その復元を行うことは、やはり古い時代の美を知る手掛かりの一つになると考えられます。
しかし、どうしても経年の風化で細部は無くなっていくことを思うと、急ぎ情報化すること、そして復元をとおしてその形や技術を明らかにしていくことがとても重要なのです。
玉陵勾欄羽目(模造復元品)
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【注意事項】
・ここで紹介する3Dモデル(アニメーション)は、沖縄県立博物館・美術館 屋外展示場 展示資料にもとづいて作成したものです。
・3Dモデルの作成には、iphoneアプリの「Scaniverse - 3D Scanner」を使用しました。
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