1. リモートでの講演会『首里城の誕生』にて学んだこと

リモートでの講演会『首里城の誕生』にて学んだこと

最終更新日:2021.09.14

 
 前回のコラムで紹介した城西大学水田美術館主催企画展「むんだすいぬやーぬ 首里城正殿の屋根」ですが、9月3日をもって閉幕しました(写真1)。首里城の屋根瓦にスポットを当てた展示会ではありましたが、14世紀から平成までの首里城正殿の姿を可能な限り、ビジュアルで再現するといった意欲的な試みが展示の中で見られたようです。
   
写真1 企画展『むんだすいぬやーぬ 首里城正殿の屋根』展示風景
(城西大学石井研究室提供)

 個人的には昨年からこの企画展を楽しみにしていたと同時に、当館所蔵資料も貸出しして展示に組み込むなど(写真2)、気合の入った内容でしたが、沖縄県での緊急事態宣言延長による県を跨いでの移動が自粛されていることから、観覧は叶いませんでした。更に関連催事である講演会『首里城の誕生~首里城正殿周辺の建物跡からみる~』も急遽、変更してリモートでの開催となってしまいました。
  
写真2 当館からの貸出資料(城西大学石井研究室提供)

 当館の学芸員講座を8月末にリモート開催した同僚から「思っていたよりも話し方が普段と違って落ち着きすぎていた」といったことを事前に聞いていたことから、いつもより少しテンションを上げて話を進めていこうと思っていました。しかし、いざ講演が始まってみると発表画面の操作にばかり気を取られて、思っていたテンポで話ができなくなっていました。更に質疑応答はコメント欄からの読み上げだったため、質問者に納得のいく回答ができたかどうか、後で不安になる始末。講演終了後は歯切れの悪い感触が残っていました。
 普段は目の前にいる参加者の皆さんのリアクションを見ながら話すテンポを変えたり、補足情報を入れたりしていたのですが、リモートでの講演になると参加者の表情が見て取れないので、いつもとは勝手がかなり違うことに今更ながら、気付きました。また、参加者が目の前にいる講演直前の、何とも言えない雰囲気が話し手にとってテンションを上げていく丁度良いスパイスであったことにも気付かされました。
 あまりお薦めしたくはないですが、この講演の内容は以下のURLにて閲覧ができますので、ご興味がある方はアクセスしていただければと思います。
 
『むんだすいぬやーぬ 首里城正殿の屋根』関連企画講演会『首里城の誕生~首里城正殿周辺の建物跡からみる~』
 
 当館での学芸員講座や文化講座が緊急事態宣言により通常開催ができず、ここ数ヶ月間はリモートでの開催が続いています。おそらく講演される講師の先生方や当館学芸員は普段話されているよりも、気を遣ってリモート講演に挑んでいることと思います。早く事態が改善されることを切に願うと共に、当館学芸員一同、普段通り皆様の前でまたお話ができることを一日でも早く待ち望んでおります。
 

主任学芸員 山本正昭

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