コロナ禍の博物館活動
コロナ禍により、沖縄県立博物館・美術館も幾度となく休館し、その度に展覧会は途中閉会、各種講座、講演、体験教室等の教育普及活動は、中止または延期を繰り返しています。この1年余りで普段の生活と同様、博物館活動も大きく変わってしまいました。休館となっても、少しでも多くの方に、展示をご覧頂きたく解説動画をweb配信することも多くなりました。展示物においては、お客様から好評なハンズオン(触れる)展示が原則できなくなってしまいました。現在、感染対策と同時に楽しめる体験的な新しい展示方法がないものかと模索しています。
ところで私たち学芸員は常に展示室にいるものと誤解されることが多々ありますが、実際には博物館の裏側にいることが多く、それは休館時も変わりません。各種標本や資料を県民の財産として後世に引き継ぐため収集、整理、保管し、それらの調査・研究を継続して行っています。そしてその成果をまとめ、展示や教育普及活動等で発信することを目標に日々業務を行っています。当館の特別展示室や企画展示室は、他の県立博物館と比較してとても大きく、そこで開催される特別展や企画展は、数か月前からの準備ですぐに開催できるものではありません。少なくとも数年の歳月を要します。その準備は、企画から展示までコツコツと積み木を積み上げるような作業です。こうして展覧会は作られていきます。まだ終わりが見えないコロナ禍ですが、現在もコロナの完全終息を祈りつつ、数年先の展覧会まで準備は進められています。
大好評! 特別展「みんなの進化展~命はつながっている~」
今年一番の大きな展覧会が「みんなの進化展」です。担当の菊川学芸員の生物の進化と多様性について渾身の思いが詰まったものになっています。展示室に入ると、標本数とそのスケール感に圧倒されます。たくさんの標本や剥製は見るだけでも楽しめるとともに、進化についてより深く知りたい方には、しっかりと学ぶことができ、大人から子どもまで必ず楽しめる内容となっています。
内容の詳細については、解説動画が配信されていますのでぜひご覧下さい。
※ 解説動画
第1章 第2章(前半) 第2章(後半) 第3章 第4章 第5章
進化展をとおして、生命の進化の歴史を振り返るとともに、これからの地球と生命の未来について一緒に考えてみませんか。進化展が夏の親子の学びの機会となるとともに、明るい話題の提供となれば幸いです。
しかしながら感染拡大のため、今のところ初日(7/21)オープンしたのみで、その後9月12日までの休館が決まっています。現在、安心してご観覧いただけるよう、感染対策に万全を期して再開館に向け準備しております。感染状況が改善し、閉会(9/20)までの最後の1週間だけでも再開会し展示をご覧いただけたらと願うばかりです。
担当の菊川学芸員と展示室スタッフ(オープン初日)
少しでも多くの方に展示内容をご紹介したく、
ジュンク堂では図録を販売しております。9/11(土)14:00からは展示室からの
ライブ配信も予定しています。
Twitterでは港川人のおじさんがつぶやいています。ぜひそれらをご覧いただき、最終週の再開館を期待していただけたら幸いです。
主任学芸員 宇佐美 賢