博物館では展覧会だけでなく、さまざまな調査研究にも取り組んでいます。そのうちのいくつかをご紹介します。
①総合調査事業
県内各地の自然・歴史・文化について調査・研究し、その成果を記録・報告するとともに、当館の展覧会等をとおして、島々の自然や文化の現状を伝えることにより、自然環境の保全や文化的資科の保存に対する普及啓発活動を目的としています。
沖縄県では希少なゴバンノアシの自生株の発見(新城島上地)
総合調査事業に関する学芸員コラム
- 民具と祭祀-多良間島のスツウプナカ-
過年度の総合調査報告書については
こちらをご覧ください。
②博物館共同研究事業
沖縄県立博物館・美術館では、国立科学博物館、東京大学等との共同研究事業として、港川人をはじめとする沖縄出土の旧石器人骨の調査研究を推進するとともに、新たな人類化石や生活痕跡の発見を目指した発掘調査を行っています。2009年から調査を進めてきた南我市玉城のサキタリ洞遺跡(ガンガラーの谷内)では、旧石器時代の人骨とともに、世界最古の約2万3000年前の巻貝製釣針を含む旧石器時代の多様な貝器が発見されました。
世界最古の釣針(サキタリ洞遺跡) サキタリ洞遺跡の発掘のようす(2019年)
全長約14mm
博物館共同事業に関する学芸員コラム
新発見!12000年前の石英製石器と人骨について(上)
新発見!12000年前の石英製石器と人骨について(下)
島に生きた旧石器人とその文化を探る-サキタリ洞遺跡発掘調査速報展-
沖縄の貝器文化を探る
サキタリ洞人の発見
サキタリ人骨、クリーニング中
博物館特別展「港川人の時代とその後-琉球弧をめぐる人類史の起源と展開」にむけて (3)
サキタリ洞むかしばなし(秋)
※サキタリ洞遺跡についてもっとくわしく知りたい方は
こちら。
③琉球王国文化遺産集積・再興事業
戦後70年余を経て、戦災等により失われた王国時代の文化遺産を模造復元し、モノ(模造復元品)を通して、世界に誇る沖縄の手わざの力を琉球王国文化のブランドとして発信し、沖縄をアピールします。
陶芸分野の製作検討のようす
石彫分野の製作のようす
琉球王国遺産集積・再興事業に関する学芸員コラム
- 今、明かされる琉球王国の手わざ-琉球王国文化遺産集積・再興事業について-
琉球王国文化遺産集積・再興事業「手わざ」展の背景と意義を考える(上)
琉球王国文化遺産集積・再興事業「手わざ」展の背景と意義を考える(下)
④デジタルミュージアム推進事業
2015年度に当館に寄贈された沖縄の伝承話音声資料について、2016年度から2020年度までの5か年計画で、デジタルミュージアムを開設し、資料の体系的な保存・管理と動画コンテンツを制作し、Web上や常設展示室等で公開し、遠隔地へのサービス提供や来館者誘致、顧客満足度向上を実現します。
2015年度に当館に寄贈された沖縄の伝承話音声資料
動画コンテンツ制作に向けた検討風景
デジタルミュージアム推進事業に関する学芸員コラム
沖縄の民話-寄贈テープの保存と活用について
⑤資料収集調査
博物館資料として受け入れる前に、対象資料を調査し、その資料の博物館的な価値を確認する必要があります。調査した資料は、収集、寄贈、購入等で博物館資料として受け入れ、調査研究や展示等で活用します。
屏風絵の調査風景
収集委員会の様子
⑥修理修復事業の実施・調査
主に絵画や書跡、漆器など、経年変化や収集した際にすでに破損していた資料の劣化状態を詳しく調査し、状況に合わせた修理修復事業を実施しています。
漆器の修復の様子
修理修復事業に関する学芸員コラム
ハワイ大学所蔵宝玲文庫絵巻
国際博物館の日2020
博物館の活動を見る
沖縄美ら島財団の活動を見る
移動展の活動を見る
沖縄県立博物館・美術館