最終更新日:2007.10.09
琉球国惣絵図(間切集成図)
(首里・那覇・泊村・久米村・真和志間切
小禄間切・豊見城間切・南風原間切)
琉球国惣絵図(間切集成図)は、琉球王国内の隣り合ったいくつかの間切や周辺の離島を部分的にまとめた絵図です。これまでに、伊平屋間切(伊平屋島)、国頭間切、北谷間切と越来間切など全部で7枚の絵図が確認されています。そのなかには、河川・道路・集落・番所・建造物の名称や位置関係などの地理的情報が描かれています。
首里王府は、新しく開墾された農地等を把握するため、1737~50年に沖縄島とその周辺離島を細かく測量する乾隆大御支配(検地)を実施しました。この測量データをもとに、惣絵図(間切集成図)が描かれたと考えられています。これらの絵図は、描かれている建造物などの創建年や取り壊された年を調査すると、おおよそ18世紀後半ごろに製作された可能性が高いと言われています。
右上の絵図には、各間切とは別に「首里」・「那覇」・「泊村」・「久米村」が色分けされています。これらは現在、那覇市の一部ですが、王国時代では、首里は王国の中心地、久米村は貿易を担う役人の居住地域というように他の間切と異なる地域でした。
製作された当時の情報をふんだんに盛り込んだ惣絵図(間切集成図)は、私たちに王国時代の琉球を語りかけてくれるのです。
学芸員 稲福 恭子