方眼紙にインクで印刷された画面には、複数の人物が、長い棒を地面に突き刺そうとしている様子が表現されています。
棒の先に目をやると、黒い円が浮いているように見えます。輪郭線は描かれていませんが、風にひるがえる日本国旗だと見て取れます。
この作品は、第2次世界大戦中の1945年、硫黄島にアメリカ国旗を掲げたアメリカ兵を撮影した写真をもとに制作されました。
真喜志は、旗をアメリカ国旗から日本国旗に替えています。
この作品が制作された1972年、沖縄はアメリカ統治から日本へ「復帰」しました。
旗を置き換えるように、沖縄の統治者がアメリカから日本に変わっただけ、という痛烈な皮肉が込められているようです。