1. 「琉球の横顔」 アーティスト紹介:石垣克子

「琉球の横顔」 アーティスト紹介:石垣克子

石垣克子  Katsuko ISHIGAKI
1967年、石垣市に生まれる。1991年、沖縄県立芸術大学美術工芸学部美術学科絵画専攻卒業。1991年から中学、高校の美術非常勤講師を勤め、2013年からは沖縄県立芸術大学、2021年からは琉球大学教育学部非常勤講師を勤めている。1997年に初めての個展を開催。2000年、前島ストリートミュージアム参加をきっかけとして、県外での活動も活発になる。オルタナティブスペースの前島アートセンターで理事をつとめ(2008年〜2011年解散の年まで)、2008年からは活動拠点を那覇から沖縄市に移し、「アトリエ絵画」(2008年〜2012年)でスタートを切る。2012年からは「skskスクスク」という屋号にあらため、ギャラリー兼版画工房として運営。ここ数年はオープンスタジオや個展を不定期に開催する。


石垣克子《めぐりめぐる虹》2014年
Katsuko ISHIGAKI, A rainbow that goes around, 2014

【作家による作品解説】
10代の頃、美術を軸に生きる事を思い願った私の歩みはやっと半世紀を越えたばかりだ。 絵画の他にその都度必要に応じて制作された立体やインスタレーションなどの様々な作品は、人や場所との出会いやつながりによって生じたエネルギーに作用され、影響を受けて生み出されてきた。作品には作者の実感が込められる必要がある。思いつきも閃きも、リサーチやエスキースを自分なりに重ねて腑に落ちるまで時間をかけて、描けるようになる。
初期の頃、社会性を持った絵画を試み、あるいは、現実に感じる沖縄の風景を描こうと思い立ったりもしたが、連作を手掛けるまでには至らなかった。当時は目の前の出来事やまわりの人々との出会いでもたらされる喜びやストレスが原動力となっていた。そのせいか、主な絵画のモチーフはデフォルメされた人物像で、対話したり佇んだりと背後には常に物語があった。
表現としての成り立ちの初めは、「こうでなければならない」という目の前のハードルに自ら目をつぶり、えいっ!とばかりに飛び越えることで、固定観念や自分自身の縛りを解き放つような感覚があった。2000年、私は前島ストリートミュージアムへ誘われ参加をきっかけに、また作品を介して積極的に街に出て行くようになる。前島アートセンターとの関わりによって県外や外国での活動も活発になった。2010年代は、コルク絵画や人物像のペン画や油彩画(黄色い人々と呼ばれるが正式名称はない)、沖縄市にアトリエを移したのをきっかけに、主に沖縄の現風景に取り組み始めた。
風景は学生時代からのテーマではあったが、巡り巡ってグループ展や個展をきっかけに制作発表する機会が増えている。今後もしばらく沖縄の現風景に取り組んで行きたいが、時々、寄り道や回り道もするだろう。その時々の環境の変化に応じて実感を持って制作を続けて行きたいと思う。

「琉球の横顔」出品作家

池原清子久場とよ中島イソ子西村立子上原よし砂川喜代石垣克子ローラ・キナエミリー・ハナコ・モモハラ喜屋武千恵山川さやか遠藤薫胡宮ゆきな泉川のはな寺田健人仁添まりな

琉球の横顔 ― 描かれた「私」からの出発 WEBサイト

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