中島イソ子 Isoko NAKAJIMA
1940年、沖縄県名護市生まれ。1962年、武蔵野美術学校(現武蔵野美術大学)を卒業。
同年には第14回沖展彫刻部門にて《裸婦》で奨励賞を受賞。1963年、玉那覇正吉により結成された彫刻研究団体「槐会」に参加。1964年、第16回沖展にて《男の首》(彫刻部門)が沖展賞を受賞する。1975年には、沖展に絵画作品が初入選し、以降、絵画に軸足を置いた制作を続ける。1976年、第29回日本アンデパンダン展に《想う》を出品。1977年、第62回二科展に《不安》が入選。この年より、沖縄女流美術展(第3回)に初出品する。1988年、第40回沖展で《凝視》が沖展賞を受賞。2004年には、同作品が第38回沖縄タイムス・芸術選奨大賞を受賞する。2012年、沖縄県文化功労者受賞。現在は、沖展会員であり、沖縄女流美術家協会会長を務める。
【作品解説】
沖縄を拠点に、沖縄女流美術家協会、沖展などで発表し続けている作家で、戦後沖縄の女流画家として重要な位置を占める。絵の特徴としては、作者自身の心情と社会とを重ね合わせた自画像のスタイルで知られている。
当館コレクションの《凝視》(1988年)と《落日》(2002年)とともに、本作品も作者の自画像である。盛期ルネサンスのイタリア人画家、ジョルジョ-ネの作品と伝えられる《老女(ラ・ヴェッキア)》(1500-1510年・アカデミア美術館所蔵)を引用したものであるが、踊る中島自身の姿を人物像の袖口に取り込むなど、シリアスなテーマにユーモアを盛り込んだ作品である。
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