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赤茶色の壺や大きな鉢といった焼物が、所狭しと並んでいます。荒々しく厚く塗られた絵の具からは、焼物の質感や重量感が伝わってきます。
そのまわりには、品物を選ぶ人や、行き交う人の姿が描かれています。画面からは、市場の活気やにぎわいが感じられます。
また、明るい部分と影の対比を強調した色づかいからは、沖縄特有の強い日差しを感じ取ることができます。
吉田博は、明治から昭和にかけて活躍した画家です。日本各地をはじめ、アジアや欧米を旅し、その土地の空気感をとらえた風景画を数多く制作しました。沖縄には1912年に訪れています。
この作品は、沖縄の強い日差しと、当時の、活気にあふれた市場の様子を伝える一枚です。