最終更新日:2021.11.06
おきみゅ-では特別展、企画展、エントランス展示といったように期間限定の展示会を年に数回実施しています。常設展示室にある歴史部門展示室では上記の展示会とは別に特集展と銘打って期間限定のテーマ展示を年に3~4回、行っています。
令和3年11月30日(火)から特集展『中城村のグスク 中城グスクと新垣グスク』が開催されますが、開催を決めた経緯とその準備についてここで少し触れていきたいと思います。
特集展『中城村のグスク 中城グスクと新垣グスク』URL
https://okimu.jp/exhibition/1633773569/
(写真:中城村護佐丸歴史資料図書館外観)
この展示会を実施するきっかけとなったのは昨年度に中城村教育委員会が主催して実施された企画展『中城城跡』まで遡ります。世界遺産登録20周年記念として位置づけられたこの展示会は中城村護佐丸歴史資料図書館を会場にして最近の発掘調査成果をこの展示の中に盛り込み、新たな歴史的価値を見出したとても興味深い内容となっていました。ただ、開催期間が1か月未満と短かったため、展示を見逃した方も多くいらっしゃいました。また、今年の5月に行われた企画展『もう一つのグスク 新垣グスク』も中城村教育委員会が主体となり、同じく中城村護佐丸歴史資料図書館を会場に行われた展示会でした。この展示会についても過去の発掘調査成果から新垣グスクの実態に迫った内容で見ごたえは十分にあったのですが、沖縄県下に緊急事態宣言が発令されたことにより、開催途中で中止を余儀なくされてしまいました。この展示は実質、3週間で終了となってしまいました。
これらのことから、上記の2つの展示会を見に行くことが叶わなかった方々のご要望に応えるために、冒頭で掲げた特集展を開催するに至りました。
(写真2・3:昨年度行われた中城城跡展)
中城グスクと新垣グスクはそれぞれ規模も来歴も異なるグスクですが、2つのグスクを比較して見てみることで、グスクには様々な姿があることが良くわかると思います。更にこの2つのグスクは発掘調査によって新たな事実が判明してきていることを最近の発掘調査で出土した遺構や遺物から知ることができます。
そして、今回の特集展『中城村のグスク』の中身についてですが、単なる過去に行われた企画展『中城城跡』と『もう一つのグスク 新垣グスク』のリピート展示ではなく、おきみゅーが所蔵している中城グスク関連の資料を新たに展示資料として加えた内容で実施していく予定となっております。
以上のように今回の特集展が行われるに至った理由についてまとめて触れてきましたが、次回は開催されるまでの詳しい経過についてお話していきたいと思います。
(写真4・5:今年5月に行われた新垣グスク展)
今年の10月2日に当館で実施した博物館学芸員講座『グスクの城壁にみる沖縄の独自性』がyoutube上で公開されています。今回取り上げた中城グスクについても少しだけ触れていますので、特集展『中城村のグスク』に興味を持った方はぜひ、下記のURLにてアクセスしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=9RuY35psEOA
主任学芸員 山本正昭