最終更新日:2016.07.27
平成28年11月15日(火)より、博物館特別展「港川人の時代とその後-琉球弧をめぐる人類史の起源と展開」がスタートします。展示会にむけて、現在準備をすすめていますが、今回はそうした様子についてご紹介します。
6月上旬-特別展準備の一環として、種子島での資料調査・資料借用に係る調整を行いました。種子島では、近年、日本最古級(約3万5千年前)の旧石器遺跡(南種子町横峯C遺跡・中種子町立切遺跡)をはじめ、旧石器時代~縄文時代初期(草創期・早期)の遺跡が続々と調査されています。種子島の先史文化は、九州本土の縄文文化や弥生文化と多くの点で共通していますが、多数の埋葬人骨とともに膨大な数の貝製品が出土した広田遺跡に代表されるように、南島的な文化の北限地域でもあります。このため、沖縄の遺跡を考える上でも、大変重要な地域となっています。
今回の資料調査に対応いただきました南種子町教育委員会、中種子町教育委員会(町立歴史民俗資料館)、西之表市教育委員会(種子島開発総合センター「鉄砲館」)の皆様には深く御礼申し上げます。
7月上旬-海外の先進地域調査のためフランスの博物館・遺跡を訪問しました。パリの国立人類学博物館、国立自然史博物館、パリ近郊のサン・ジェルマン・アン・レーにある国立考古学博物館とともに、ドルドーニュにある世界遺産「ヴェゼール渓谷の先史的景観と装飾洞窟群」を訪れました。日本では目にすることのできない精巧な石器や骨角器、装飾品、顔料、洞穴壁画の数々(!)に圧倒されるばかりの調査行でした。特に、レゼジーの国立先史学博物館で目にした、ヴェゼール渓谷の遺跡群から出土した47万5千年前から1万年前にわたる膨大な石器、骨角器を陳列した長大なギャラリーは圧巻でした。
7月中旬-八重瀬町港川フィッシャー遺跡・南城市サキタリ洞遺跡(ガンガラーの谷内)の空撮(ドローン撮影)を行いました。今回は、サキタリ洞の内部にドローンを飛ばして、洞穴内の撮影も行うことができました。当日は、晴天にもめぐまれ、美しい空と海と遺跡を撮影することができました。撮影した映像は、特別展にて、情報コンテンツとして展示します。どんな映像になっているのか、ご期待ください。
現地作業について御協力いただきました八重瀬町教育委員会、ガンガラーの谷のスタッフの皆様に篤く御礼申し上げます。
主任 山崎真治