宇宙展に関連して

最終更新日:2011.09.30

写真1 久米島の太陽石

写真1 久米島の太陽石

写真2 太陽石の説明板

写真2 太陽石の説明板
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皆さんは、どこまでが地球で、どこからが宇宙かご存じでしょうか?一般的には上空100Kmから宇宙空間だと言われています。沖縄島の長さが約107Kmですから、沖縄島を縦にすると宇宙ということになります。ちなみに沖縄島から大東島まで約360Km、与那国島まで約510Kmです。宇宙まで近いと考えるか遠いと考えるかはあなた次第ということでしょうか。

沖縄の人々と天体との関係を考えてみると、久米島の「太陽石」(ウティダ石)や八重山地方にみられる「星見石」など古くから天体観測が行われてきたようです。また、沖縄の暦は新暦(太陽暦)と旧暦(太陰暦)の両方が使用され、各行事や祭事などは旧暦を使用しています。旧暦とは、月の周期を利用した暦です。正確には潮の満ち欠けの周期で一月約29.5日になります。沖縄は海に囲まれた島ですから、旧暦を知っていた方が何かと役に立つことが多いです。

沖縄民謡に「てぃんさぐぬ花」という歌があります。沖縄県民にとっては聞き慣れた曲です。その中に「てぃんぬぶりぶし」と「にぬふぁぶし」という単語が出てきます。前者は「天の群星」という意味で、天の川を指しています。八重山地方ではプレアデス星団、つまり「昴」を指していると言われています。どちらも夜空を飾る代表的な天体です。後者は、十二支で「子」の方角にある星のことで、つまりは「北極星」のことです。歌の中にも星座や天体の名前が出てくる曲はまだあります。調べてみるのもおもしろいでしょう。

今回「宇宙」をテーマにした展覧会が11月3日~12月28日まで開催します。月の隕石をはじめ、数々の天体の写真、それから人工衛星の展示など、宇宙に関係する広い範囲の内容を紹介します。また、コラム形式で展示物にまつわる裏話などを取り入れています。ちょっと難しい話などもしますが、宇宙に係わる研究が多くの分野で行われ、多くのことが分かってきていることを感じてほしいと思います。

昔から多くの研究者が宇宙に挑んでいます。新しい発見があると、新しい謎がついてきます。その謎解きが宇宙の研究なのでしょう。いつになったら宇宙の本当の姿が分かるのでしょうか?遠い未来のことなのでしょうか?研究者たちの「夢とロマン」を求めた挑戦が続いています。
 この展示会をきっかけに、将来、研修者や技術者などを目指し活躍できる子どもたちが、この沖縄からたくさん育ってくれることを期待します。

 

ps
今年の12月10日~11日にかけて、皆既月食が、全国的に見られます。
6月にあった皆既月食は、明け方の4時頃だったため、みていない人の方が多かったと思いますが、今回の月食は、食の始まりが、午後9時45分頃のため、多くの人が観察できると思います。また、土曜日から日曜日にかけての月食ですので、子供たちも観察できると思います(翌日は学校が休みですから)。
月食という現象は、太陽・地球・月が、一直線上に並び、地球の影に月が入ることによって起こる現象です。つまり、月に移っている影は、地球の影なので、地球が丸いということを、地球上にいて確認することができます。月食はちょうど月が満月に当たるときに起こります。また、月は地球より小さいために、地球の影にすっぽり入ることができます。 がんばって、最後まで見てみましょう!

月食が起こるしくみ

月食が起こるしくみ


 

主任学芸員 仲里 健

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