【開催形式】
主 催:沖縄県立博物館・美術館、
協 力:沖縄県立埋蔵文化財センター、浦添市教育委員会、宮古島市教育委員会、宜野湾市立博物館、公益財団法人沖縄県畜産振興公社
【開催趣旨】
イノシシとプタは、古来より私たち人間と深い関わりを持った動物である。先史時代には、イノシシは重要な狩猟動物であり、地中海の島では旧石器時代からヒトがイノシシを運搬していたことが知られている。沖縄でも港川フィッシャー遺跡から多量のイノシシ骨が出土している。近年の調査では、南城市サキタリ洞遺跡において更新世末にヒトがイノシシを狩猟していた可能性を示唆する証拠が得られており、宮古や八重山でも完新世初頭のイノシシ利用の証拠がそろいつつある。縄文時代前期には、野国貝塚や武芸洞追跡など、イノシシ骨を多量に産する遺跡があり、この時期の人々にとってイノシシが重要な資源であったことを物語っている。グスク時代に入ると、イノシシだけでなく、家畜動物としてのプタが導入される。プタは世界中で重要な家畜のひとつであり、沖縄でも現代まで重要な食資源として幅広く利用されてきた。本企画展では、私たちの生活に欠かせない動物として、イノシシとブタの動物としての特徴から生活における利用の時代的な変化を中心に、考古遺跡出土遺物や民具などの展示や、最新の研究成果を踏まえながら紹介する。
【展示内容)
1 イノシシと仲間たち
1-1 イノシシってどんな動物?
1-2 リュウキュウイノシシ
1-3 世界のイノシシの仲間たち
1-4 家畜と飼育
2 先史時代のイノシシ
2-1 更新世のイノシシ
2-2 最近の発見(更新世末から完新世初頭のイノシシ利用)
2-3 縄文時代のイノシシ利用(武芸洞、野国貝塚)
2-4 縄文時代のイノシシ狩猟具
2-5 ブタはいつから沖縄にいるか
2-6 グスク時代に持ち込まれた動物たち
3 近ごろのイノシシと私たち
3-1 イノシシの狩猟具
3-2 イノシシと農作物被害
3-3 イノシシの飼育
3-4 イノシシの歯周病?
4 ブタと私たち
4-1 ブタの飼育頭数日本一
4-2 ブタ品種
4-3 民具にみるプタと私たち
4-4 新開発!豚狗パズル(体験コーナー)
4-5 プタ解剖パズル
【関連催事】
(1) 博物館文化講座「遺跡出土遺物にみるイノシシ・ブタとヒトの関わり」
講師:菅原広史(浦添市教育委員会)
開催日:2015年2月2 1日(土)14:00~16:00
(2) 担当学芸員による展示解説会
開催日:2015年2月14日(土)11:00~12:00、14:00~15:00