1. 特別展「水中文化遺産~海に沈んだ歴史のカケラ~」

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博物館 特別展

特別展「水中文化遺産~海に沈んだ歴史のカケラ~」

2014年11月08日(土) ~ 2015年01月18日(日)

特別展「水中文化遺産~海に沈んだ歴史のカケラ~」
【開催形式】
主 催:
沖縄県立博物館・美術館
後 援:
沖縄県教育委員会、沖縄タイムス社、琉球新報、NHK沖縄放送局、沖縄テレビ放送、琉球朝日放送、琉球放送、ラジオ沖縄、エフエム沖縄、タイフーンfm、F M レキオ
協 力:
船の科学館・海と船の博物館ネットワーク(日本財団助成事業)、釧路漁業協同組合、江差町教育委員会、開陽丸青少年センター 、上ノ国町教育委員会、館山市立博物館、月刊ダイバー、熱海市立初島小中学校、東海大学海洋学部航海工学科海洋機械工学専攻坂上研究室、東海大学海洋学部海洋文明学科小野研究室、東海大学考古学研究室、水中考古学研究所、鞘の浦歴史民俗賓料館、いろは丸展示館、九州大学地球社会統合科学府(比較社会文化研究院環境変動講座)菅研究室、芦屋町歴史民俗資料館、福岡市埋蔵文化財センター、松浦市教育委員会、小値賀町歴史民俗資料館、アジア水中考古学研究所、鹿児島大学法文学部異文化交流論研究室、坊津歴史資料センター輝津館、(財)原野農芸博物館奄美市教育委員会、屋仁小学校、宇検村教育委員会、伊江村教育委員会、名護博物館、恩納村博物館、北谷町教育委員会、琉球大学考古学研究室、沖縄県立埋蔵文化財センター、那覇市教育委員会、帆船模型の会「アンカー」、糸満市教育委員会、座間味村教育委員会、慶良間海洋文化館、宮平一明、池間漁業協同組合、多良間村教育委員会
 
【開催趣旨】
琉球列島は、四方を海に囲まれた島々で構成されており、そのひろがりは、九州の南端から台湾にいたるまで1,200km もの広大な海域世界におよんでいる。 この島々に初めて人類が到達 した数万年前から、人々は海 と深い関係を結んできた。そこでは船こそが島と島の往来を可能にし、人だけでなく資源や商品、文化そのものを運びつづけてきた。河口や入江は先史時代から港として利用され、海洋宍源は、食料や道具そして高価な交易品として、人人が島で生き抜くための恵みと豊かさをもたらしてきた。こうした歴史のうえに、海洋交易国家「琉球王国」が誕生した。海にひろがった人類活動の痕跡は海底にものこされており、近年、多くの水中文化遺産が、海底に存在することが明らかとなってきた。この特別展では、琉球列島だけでなく、日本国内の代表的な水中文化遺産を展示し、海とともに生きた人類の歴史と文化を、水中文化造産をとおして広く周知・啓発することを目的とする。
 
【展示内容】
〈プロロー グ 水中文化迫産への招待〉
海や河川など、水底に存在する文化迫産(遣跡)のことを水中文化迫産(水中遺跡)と呼ぶ。それを特に研
究する学問が水中考古学である。 2009年、ユ ネスコ「水中文化遺産保護条約」が発効した。水中文化遺産の保護と活用は世界共通の課題となった。
序章では水中文化遺産とはどのような文化遺産(遺跡)なのか、その主な種類や日本列島で知られている水
中文化迫産の分布状況について紹介した。
 
〈1 航海への扉-港-〉
代表的な水中文化追産は沈没船などの海難事故遺跡や港湾遺跡である。港は航海への玄関口として陸上世界と海域世界を繋ぐ扉の役割を果たす。重要な港は古来から人々によって利用さるため、様々な時代の様々な遺物が陸上から海底に残されている。港の意義とそのにぎわい、停泊する船との関係について、絵図や地図から、そして港湾遺跡から発掘された様々な考古資料をもとに紹介した。
 
〈II 様々なイカリ〉
沖縄・日本各地の遺跡から発見される外国や他地域で生産された陶磁器、これらの大半は大最の物資を運ぶことを可能とする船によって運ばれてきた。しかし、どのような船によって運ばれたのかを知ることは容易ではない。海底からは様々なイカリが発見される。イカリは船の規模や形態を雄弁に語る。例えば、日本の江戸時代の和船には四爪鉄錨が頻繁に積載されていたことがわかっており、中国船は木と石を組み合わせた木石碇を利用していた。西欧船には西欧船のイカリの特徴がある。日本各地で発見されている様々なイカリの実物・復元模型から船の形と規模を想像する。
 
〈III 大交易時代の海〉
中世の東アジア海域は船と海を媒介として陶磁器等の多贔の商品が流通するネットワークが構築されていた。海を航行する船には、台風等の海難事故に遭って座礁・沈没を余儀なくされたものも多数あった。船そのものが沈没するだけでなく、船の沈没をさけるために満載されていた陶磁器等の商品を海底に投棄することもあっただろう。その結果、海底には多塁の陶磁器が残されることになる。海底には今もその痕跡が残されている。このような沈没船遺跡等から発見された資料を紹介した。
  
〈Ⅳ 内なる海を巡る〉
近世琉球王国はマーラン船と呼ばれる船等を利用した移動 ・物流のネットワークが島々に張り巡らされていた。沖縄島の壺屋で生産された壺屋焼は、この海と船のネットワークによって様々な物資と伴に各島々に運搬された。頻繁な航海は海難事故を多発させることにもなり、海底には船そのものや積荷が散乱する海域がある。江戸時代の日本でも海運による物資の流通が盛んになり、海底には海難事故によって沈んだ船やその物資が散乱する海域が多数確認されている。これらの船は外洋を航海する大型の船ではなく、島伝いや陸地が見える範囲で航海をするやや小型のものが主に利用された。このような沈没船遺跡等から発見された姿料を紹介した。
 
〈V 異国船の時代〉
琉球王国末期、王国が支配する海域には「異国船」と呼ばれる西欧船の姿がたえず見られた。西欧列強によるアジア進出の波が、琉球王国にまでその影響を及していた。その事は異国船の漂着に関するたくさんの文献に残されており、19世紀の那覇港の様子を知ることができる『首里那覇港因屏風』にも異国船が描かれている。その中には海難事故に遭って座礁・沈没を余儀なくされた船もあり、県内各地で異国船の沈没船遺跡が発見されている。江戸時代末期の日本ではこのような西欧船を所有することもあり、有名な沈没船遺跡が発見、調査されている例もある。琉球・日本、様々な海域で発見された異国船に関する沈没船迫跡の資料を紹介した。
 
〈VI 海に沈んだ先史時代の迫跡〉
海洋環境の変化(海面変動・陸地沈降)によって、かつて陸上に形成されていた遺跡が現在は海に沈んでいる海域がある。海に沈んだ先史時代遺跡の遺跡から発見された代表的な資料を展示した。
 
【関連催事】
<博物館学芸員講座1>
演題:博物館特別展プレイベント
『水中文化遺産展 ネタバレ話し!』
期日:2014年7月12日(土)14:00~16:00
講師:片桐千亜紀(沖縄県立博物館・美術館)
会場:博物館講座室
参加者:42人
 
<第450回博物館文化講座>
演題:『世界の海事・水中考古学から学ぶ』
期日:2014年11月15日(土)14:00~16:00
講師:ランドール・佐々木(福岡市経済銀光局埋蔵文化財部埋蔵文化財調査課)
会場:博物館講堂
参加者:83人
 
<体験学習教室>
演題:『海に沈んだ先史人の足跡(そくせき)を探せ!』
期日:2014年11月22日(土)10:00~16:00
講師:崎原恒寿(恩納村教育委員会)、片桐千亜紀(沖縄県立博物館・美術館)
会場:恩納村
参加者:小中学生26人
 
<博物館学芸員講座2>
演題『国頭村宜名真沖で沈没した異国船の実態を探れ!』
期日:2014年12月6日(土)14:00~16:00
講師:片桐千亜紀(沖縄県立博物館・美術館)
特別講師:宮城弘樹(名護市教育委員会)、渡辺美季(東京大学大学院)
会場:博物館講座室
参加者:103人
 
<第451回博物館文化謂座>
演題:『海の文化遺産~水中考古学の魅力~』
期日:2014年12月20日(士)14:00~16:00
講師:野上建紀(長崎大学)、吉崎伸(水中考古学研究所)、林原利明(アジア水中考古学研究所)、藤島一巳
(元江差町教育委員会)
会場:博物館講堂
体験学習教室での展示見学
参加者:116人
 
<特別講演~グランド・フィナーレ~>
演題:元寇船の発見!松浦市鷹島海底遺跡の調査」
期日:2015年1月18日(日)10:00~12:oo
講師:池田榮史(琉球大学)
会場:博物館講堂
参加者:117人
 
<ミニ移動展in恩納村博物館>
期日:2015年1月27日(火)~2月22日(日)
観覧者:563人

特別展「水中文化遺産~海に沈んだ歴史のカケラ~」ちらし裏
 

展覧会情報

会期 2014年11月08日(土) ~ 2015年01月18日(日)
場所 特別展示室1,特別展示室2,企画展示室
開館時間 9:00~18:00(金・土は20:00まで) ※入場は閉館の30分前まで
休館日 毎週月曜日
主催 沖縄県立博物館・美術館
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