1. 企画展「沖縄復帰40周年記念 紅型BINGATA 琉球王朝のいろとかたち」

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博物館 企画展

企画展「沖縄復帰40周年記念 紅型BINGATA 琉球王朝のいろとかたち」

2012年04月24日(火) ~ 2012年05月27日(日)

企画展「沖縄復帰40周年記念 紅型BINGATA 琉球王朝のいろとかたち」
【開催形式】
主催:沖縄県立博物館・美術館
共催:琉球銀行
後援:琉球びんがた事業協同組合/沖縄伝統びん型保存会/沖縄県教育委員会/那臨市教育委員会/沖縄タイムス社/琉球新報社/NHK沖縄放送局/沖縄テレビ放送/琉球朝日放送/琉球放送/ラジオ沖縄/FM沖縄/FMレキオ/タイフーンfm /沖縄ケーブルネットワーク

【開催主旨】
琉球王国で育まれた紅型の衣装は、型染による表現の多様性において特筆すべき染色品である。型紙を駆使して創り出された「かたち」と鮮やかな「いろ」には、琉球文化の独自性とともに、高い評価がある。
しかし、これらの紅型衣装は、廃藩置県後の王国の解体によって、その多くが収集家や研究者たちによってコレクションされ沖縄を離れていった。また、第二次大戦によって、かつての紅型を目にする機会は激減し、現在、沖縄では、紅型を知りたい、観覧したいと要望するニーズに必ずしも応えられていない現状がある。
今回の企画展では、王家に伝えられた作品(国宝)をはじめ、戦前に沖縄を離れ、守り伝えられた代表的な優品を紹介する。この展覧会は、復帰40周年を記念して、サントリー美術館と共同で企画するもので、洋画家岡田三郎助の蒐集した松坂屋コレクションの初公開作品を始め、旧鐘紡コレクション、柳宗悦、芹澤鮭介ら民芸のコレクションなど100点近い紅型衣装が一堂に会することとなる。
これまで、この規模で紅型を紹介する展覧会は、開催されておらず、紅型の美を再認識する、またとない機会であるとともに、これからの紅型を考える機会とする。なお、この展覧会は、下記の会場を巡回した。
・サントリー美術館(東京): 6 月13 日(水)~ 7 月22 日(日) 
・大阪市立美術館(大阪) : 9月11日(火) ~ 10 月21 日(日)
・松坂屋美術館(名古屋) : 11月3日(土) ~11月25日(日)

【展示内容】
展示は、下記の日程で展示替えをおこなった。
第1期: 4月24日(火) ~5月6日(日)※展示日数:12日
第2期: 5月8日(火) ~5月13日(日)※展示日数: 6日
第3期: 5月15日(火) ~5月27日(日)※展示日数:12日

プロローグ
琉球における染物を最初に記した文献「おもろさうし」、現存する描絵による染織品や型染の古作例や紺屋への発注書や染見本により、紅型の歴史的な側面を示した。また、染道具や染材などとともに工程のパネルを展示し、紅型の技術的な概要を紹介した。
・重文「おもろさうし」(巻13)など23点

特別出品 琉球国王尚家の紅型衣裳
琉球王家の紅型衣裳は、琉球内外の最良の布地や顔料・染料を素材として、貝摺奉行所の絵師の図案を王府の管理のもと、首里や那覇の紺屋が型紙を彫り、染められていた。王家のみに許された特別な模様をはじめ、紅型の多彩な意匠を紹介した。
・国宝「黄色地鳳凰蝙蝠宝尽くし青海立波模様衣裳」など10領

1)紅型の「いろ」と「かたち」
紅型の色彩は、舶載された顔料や染料に沖縄に産する藍や福木などの染料を加えて、琉球独自の色彩世界を創り出している。
紅型の模様は型紙を用いて表される。他国からもたらされた意匠と季節感を取り合わせに捉われず自由に構成、アレンジされた紅型の魅力あふれる「かたち」を「いろ」別に展示した。
・「黄色地牡丹雲に菊尾長鳥模様衣裳」など150領

2)筒描きーもうひとつの紅型
紅型には型紙を用いた型染めの他に、「筒描き」という技法がある。型染と筒描きの併用が多くみられ、フリーハンドで描かれた大らかな表現には、型染の型紙の描線につながるものがみられる。衣裳を染める表現とは異なる、もう一つの紅型の美の世界を紹介した。
・「浅地「永」字入牡丹模様風呂敷」など6点

3)初公開松坂屋コレクションの紅型
1611(慶長16)年、名古屋創業の松坂屋は、長い歴史に培われた伝統に加え、新たなデザインの研究と開発を目的として、1931(昭和6)年、京都仕入店に染織参考館を設置した。
その蒐集品に、琉球の染織品も多数含まれており、今回、沖縄での初公開となる。これらの紅型は、1928(昭和3)年開催の「啓明會創立十年記念展覧会」に於いて、尚王家の紅型衣装類などとともに岡田三郎助コレクションとして展示されていたもので、80年振りの公開となった。
・「白地雲に枝垂桜燕鳥に菊扇色紙短冊模様衣裳」など45領

エピローグ 紅型あらたなとりくみ
紅型は戦後、多くの関係者の尽力によって復奥した。復帰から40年が経過し、紅型はまた、新たな岐路に立っている。蛍光X線による色料調査や赤外線撮影調査などや蒟蒻糊を用いた浦添型の復元も試みも新たな研究の一つである。琉球銀行が主催する「紅型デザインコンテスト」なども披露しながら、紅型をめるぐる新たな動きを紹介した。
・「紅型デザインコンテスト大賞作品」他29点

【関連事業】
(1)シンポジウム「紅型からのメッセージを解く」
会期:5月19日(土)13:00 15:30
基調講演:長崎巌(共立女子大学教授)「紅型と日本の染織」
パネリスト:伊差川洋子(染色家)「浦添型復元からみえてきたこと」
平田美奈子(染色研究家)「紅型の色と模様」
名護朝和(県立芸術大学准教授) 「沖縄県立芸術大学での取り組み」
会場:講堂

(2)博物館体験教室「紅型にチャレンジ!」
会期: 4月28(土)・29(日) ※2日連続講座
講師:城間栄市(染色家)
対象:小4 ~ 中3 (参加12名)
参加費:1000円

(3)ワークショップ「千代紙で琉服をつくる」
会期:4月30日(月)14: 00~16: 00
講師:與那嶺一子

(4)ワークショップ「みんなで紅型を染める!」
※伝統的工芸品産業振興協会の助成を受けた
会期: 5月5日(土)10:00~13:00
講師:琉球びんがた事業協同組合
対象:小学生~高校生(100名)

(5)学芸員講座「ウチクイー風呂敷のこと、あれこれ一」
会期: 5月26日(土)14:00~16:00
講師:與那嶺一子

(6)展示解説会 
①紅型の歴史 4月29日(日)15:00~16:00
②紅型の技法と色 5月6日(日)15:00~16:00
③紅型の文様 5月20日(日)15:00~16:00
④紅型について 5月26日(土)16:00~16:30

企画展「沖縄復帰40周年記念 紅型BINGATA 琉球王朝のいろとかたち」ちらし裏

 

展覧会情報

会期 2012年04月24日(火) ~ 2012年05月27日(日)
場所 特別展示室1,特別展示室2,企画展示室
開館時間 9:00~18:00(金・土は20:00まで) ※入場は閉館の30分前まで
休館日 毎週月曜日
主催 沖縄県立博物館・美術館
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