長年の沖縄県民の悲願であった、県立博物館新館が那覇市おもろまちにて開館し新たなスタートを切る。これにあたり、国立科学博物館と東京大学総合研究博物館の全面的な協力を得、世界的にも重要で、身体的特徴を知ることができる最古の日本人「港川人」の3号および4号標本が沖縄県で分担管理されることになった。また本県は地理的特異性から人骨をはじめ様々な化石が多数発見されており、特に日本及び東アジアの人類研究に於いて極めて重要かつ世界的にも注目されている地域である。
そこで今回は県民に対して、港川人の化石標本4体と県内の他の地域から発掘された化石人骨を中心に、国内有数の化石の宝庫としての沖縄の重要さをアピールする展示会とする。さらに、日本の主要な遺跡からの出土品を加えて、アフリカでの人類の誕生からアジアヘの進出、そして日本人の祖先の生活について化石や遺物の実物を展示公開し、これまでの研究成果と共に、人類の歴史についてわかりやすく学ぶことが出来るように構成する。そのことにより、人類の歴史と日本人、さらにはウチナーンチュのルーツについて学び・考える機会とする。
展示は下記のテーマに沿った内容で構成される。
第1章 人類の進化:人類の誕生から現在に至る進化の過程を追い求めた内容
第2章 化石の宝庫「沖縄」:沖縄県は日本有数の化石の産地である。特に「人類学」の素材がまだまだ眠っていると考えられる。その「沖縄」の特異性を集めた内容
第3章 日本列島人類史:アジアから日本列島に渡った人類の足跡を追い、縄文・弥生文化を見つめ「日本人」の誕生までの内容
第4章 わたしたちの末来:現在人類を取り巻く環境を考えてゆく。あわせて、人類の「顔」の変遷から、未来の人類の顔について考える内容