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〇坂井 隆 氏(国立台湾大学芸術史大学院非常勤教授)
〇横尾 昌樹 氏(うるま市教育委員会)
沖縄県内の世界遺産に登録されているグスクの発掘調査成果について各市町村の埋蔵文化財担当者3名からお話しいただきます。また、基調講演では東南アジアの世界遺産についての現状について概要をお話いただきます。
講師:坂井 隆 氏(国立台湾大学芸術史大学院非常勤教授)
内容:かつて琉球船がしばしば訪れた東南アジアには、グスクに似た城郭はあまり多くありません。それぞれ世界遺産であるカンボジアのアンコール・トムはインドの、またベトナム北部の胡朝城は中国の影響を受けたものでした。しかし、インドネシア東部ブトン島の在来城郭ウォリオ城やフィリピン北端バターネス諸島の岩山祭祀遺跡はグスクとの類似点があり注目されています。一方、世界文化遺産制度には少なからず問題点があり、東南アジアでは領有権をめぐって不幸な事件も起きています。ベトナムで登録された少数民族のミソン聖地のあり方は、首里城をめぐる歴史的経緯と似たものが存在します。二つの話題について、概要を見ていきます。
キーワード:東南アジア、在来城郭跡、岩山祭祀遺跡、世界文化遺産の問題点、ミソン聖地、首里城
講師:渡久地 真 氏(中城村教育委員会生涯学習課文化係長)
内容:中城城跡は平成7年度(1995)から発掘調査や修復工事などの整備事業を実施しています。これまでの発掘調査により、グスクの歴史や築城技術が徐々に判明しつつあります。特に、ここ10年の調査では、一の郭基壇調査での各種遺構の発見、同じく一の郭での14世紀中頃~後半にかけての古い城壁の発見、県内で2例目となる刻印石の発見、新たな発見が相次いでいます。
今回の公演では、この10年間の新たな発見や、遺構の残りがよい中城城跡ならではの城壁解体調査から見える城壁の内部構造などについて紹介します。
キーワード:新たな発見、古い城壁、増築の変遷、刻印石、石積技術
講師:横尾 昌樹 氏(うるま市教育委員会)
内容:勝連城跡は、琉球王国建国後、王府に逆らった阿麻和利の居城として名が知られていますが、これまでグスクの様相はよく分かっていませんでした。そのようななか、近年の発掘調査では、四の曲輪内に大きな礎石を伴った建物があったことや、グスクの北側にある西原御門へと続く石畳道が発見されました。また、東の曲輪に新たな石垣の跡が発見され、どのように巨大な勝連グスクが造られていったかが分かり始めてきました。
今回の講座では、発掘調査から分かった勝連グスクの最新情報をお伝えします。
キーワード:グスク、礎石、道跡、石垣、掘立柱痕
講師:玉城 靖 氏(今帰仁村教育委員会)
内容:沖縄本島北部、本部半島に所在する今帰仁グスクは、主郭発掘調査の成果から1200年代後半頃に築城がはじまり、1400年代前半には中山の尚巴志によって攻め滅ぼされ、その後は中山から派遣された監守の居城となりました。近年、今帰仁グスク周辺地域の整備に伴い今帰仁グスク外郭にあった駐車場が撤去され、外郭のガイダンス機能の拡充を目指した整備を実施しています。整備に先立って行われた外郭の発掘調査によって、外郭の姿が解明されつつあります。
本講座では、平成17年より実施されている外郭地区の発掘調査成果について紹介します。
キーワード:空閑地化の時代、監守引き揚げ、1609年、番所、外郭城壁
当日のご参加の際には下記にご協力ください。
開催日 |
このイベントは終了しました 2021年02月20日(土) |
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開催時間 | 13:00~16:30(12:30開場) |
場所 | 講堂 |
定員 | 100席 |
対象 | 中学生/高校生/大学・専門学生/一般 |
申し込みについて |
要申し込み
電話・来館 |
参加費 | 無料 |
主催 | 沖縄県立博物館・美術館 |