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進化という視点から考えると、芸術ってちょっと不思議なもの。生物にとって重要な生存や繁殖に直接結びつかない行為だからです。そこで進化の隣人であるチンパンジーに絵筆を握ってもらい「ヒトはなぜ絵を描くのか」にアプローチすることにしました。かれらは特別な訓練や食べ物のご褒美を与えなくても、器用に絵筆を扱って絵を描き、それぞれ画風もあります。しかし人間の子どもの絵の発達過程と比較すると、ある時期から違いが現れてきます。浮かび上がってきたのは、想像力というキーワード。旧石器時代の洞窟壁画、言葉の獲得との関連など、さまざまな視点から、絵を描くこころ、そして芸術するこころの起源についてお話しします。
キーワード:芸術、進化、発達、描画、子どもの絵、チンパンジー
講師:齋藤亜矢氏(京都芸術大学・文明哲学研究所)
京都大学理学部、同大学院医学研究科修了後、東京藝術大学大学院修了。博士(美術)。京都大学野生動物研究センター特定助教等を経て、現職。著書に『ヒトはなぜ絵を描くのか―芸術認知科学への招待』(岩波書店)、『ルビンのツボ―芸術する体と心』(岩波書店)など、出演にNHK Eテレ『又吉直樹のヘウレーカ!』「ボクらはなぜ絵を描くのか」。