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講師:伊禮拓郎(美術工芸担当)
琉球漆器を代表する加飾方法に、「螺鈿」と呼ばれる技法があります。この技法は、夜光貝やアワビ貝を加工し器物の表面に貼り付ける表現方法で、虹色に輝く光で多くの人々を魅了してきました。原材料となる夜光貝は沖縄近海が北限とされ、質の良い貝を手に入れることができる環境にあり、かつてはこの貝を用いて螺鈿漆器を作っていました。
琉球漆器における螺鈿漆器は、15世紀末から16世紀初めの記録にみられることから、15世紀にはすでに始まっていたと考えられており、明確な時代はわからないまでも16世紀後半ごろには官営工廠である「貝摺奉行所」が 漆器製作を始めたとされています。
本講座では、現存作品と文献史料から琉球漆器とはどういったものなのか、琉球漆器における螺鈿技法は時代によってどのように変化していったかを考えていきたいと思います。
ーワード:琉球漆器、螺鈿、漆器、漆芸、貝摺奉行所、夜光貝