アメリカ文化への強い憧れと、米軍基地を取り巻く現実に対する憤り ― 両義的な思いをクールに描き出した画家、TOM MAXこと真喜志 勉。彼は1972年の夏にアメリカへと旅立ち、1年間の遊学生活を送りました。今回は同時期にアメリカへ留学していた美術家の宮城 明氏と、真喜志 勉と親交の深い仲里 効氏にお話しいただき、当時のアメリカ美術や沖縄におけるアメリカ観が、作品にどのような影響を与えたのかを考えます。
講師:
宮城 明(AKIRA MIYAGI )
1945年名護市生まれ。多摩美術大学卒業。美術家。1970年から73年まで、プラット大学グラフィックセンター(ニューヨーク)にて版画を学ぶ。ジーンズやアルミ板を使用した作品を発表し、「表皮一体」(2000年、画廊沖縄)、「マグマ08」(2009年、Oギャラリー)、「表皮一体 アイデンティティーの探求」(2013年、OIST)などの個展を開催。
仲里 効(ISAO NAKAZATO)
1947年南大東島生まれ。法政大学卒業。映像・文化批評家。主な著書に『ラウンド・ボーダー』(APO)、『オキナワ、イメージの縁(エッジ)』(2007年沖縄タイムス出版文化賞)、『フォトネシア―眼の回帰線』、『眼は巡歴する―沖縄とまなざしのポリティーク』、『悲しき亜言語帯―沖縄・交差する植民地主義』(以上は未來社)などがある。