講師:阿利よし乃(民俗担当)
奄美・沖縄の民間信仰の特徴として、女性が祈願の中心を担うという点があげられます。各村落には、村人と御嶽の神をつなぐ存在として、女性の神役がいます。琉球王国があった頃、首里王府は聞得大君(きこえおおきみ)とよばれる神役を頂点とした宗教のしくみを確立しました。聞得大君の下位にはノロなどの数々の神役が在位し、宮古・八重山には大阿母(おおあむ)という女性神役がいました。さらに、その大阿母の下位にはツカサとよばれる女性神役が在位し、村々の祭祀を司っていました。そのような神役たちは、その役割と地位をどのように次の世代へ継承させているのでしょうか?
本講座では、神役とは何かを解説したうえで、現在の八重山における神役継承の実像を紹介します。
キーワード:祭司、村落祭祀、民間信仰、出自論、巫病論