講師:澤浦亮平(人類担当)
「同定:Identification」という言葉を聞いたことがありますか?遺跡から動物の骨の一部が見つかったとき、研究はその資料を「同定する」ことから始まります。「同定する」とは、「どの動物の、どの部位なのか?」、「オスかメスか?」、「年齢は?」といった問いに答えることに他なりません。近年では、骨の中に残されたDNAを調べることで、動物の種類を同定する機会も増えましたが、もっとも一般的なのは、骨の形を詳しく調べて多くの標本と比較することによって同定する方法です。
本講座では、ヒトを含むさまざまな動物の骨から歴史を読み解く骨考古学という分野で、最も基本的で重要な「同定:Identification」について解説します。そして、博物館の動物骨を使って、実践的に「同定」について学びます。