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遠くを見つめ、壁に軽く体をもたれかけて座る若い女性。白地に朱色が目に鮮やかな、沖縄の伝統的な染め物である「紅型」の着物を身に着け、髪は沖縄独自の髪型に結い上げています。
女性の背後には三線が立てかけられており、シンプルな画面の中に、沖縄を感じさせるモチーフが目を引きます。
沖縄の文化に深い愛情を持っていた名渡山は、戦前・戦後を通じて、沖縄の伝統的なモチーフを描き続けました。
この絵は、疎開先の大分県で描いたと言われています。
沖縄が戦争で壊滅的な被害を受けたと知らされた名渡山。遠く離れた故郷を思う気持ちが表れているようです。