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手前から奥へと続く灰色の線。その周りは暗い青が広がります。
画面の上の方に描かれた白い四角やオレンジの線は平安座島の石油備蓄タンクでしょうか。
今では観光名所として知られる海中道路。道が出来る前は、満潮時には船を、干潮時にはアメリカ軍の払い下げで手に入れたトラックが島民の交通手段だったという話もあります。
作品が描かれた1976年は、沖縄が日本に復帰して間もない時期でした。県内各地で進められた都市開発は、次第に沖縄を近代的な風景に変えていきます。
喜久村にとって海中道路は、沖縄の原風景が失われていく不安を感じる場所だったのかもしれません。