1. 沖縄県外の方必見の首里城関係情報

沖縄県外の方必見の首里城関係情報

最終更新日:2021.07.26

 今年の夏休みに沖縄県外からおきみゅーに来館される予定を立てていた方々で8月22日までの緊急事態宣言延長により、仕方なく沖縄行きを断念した方は多くいらっしゃるかと思われます。同じく、現在のコロナの状況が収まるのを待って来沖を先延ばしにされている方も多くいらっしゃるかと思います。
 そのような中、今回は7月27日から9月3日まで埼玉県坂戸市にある城西大学水田美術館にて開催される企画展『むんだすいぬやーむ 首里城正殿の屋根』を少しだけここで紹介したいと思います。今夏に来沖が叶わなかった、とくに関東圏にお住まいの方々はぜひこの展示会を観覧いただき、沖縄の歴史を学ぶ数少ない機会になればという思いから以下に取り上げてみたいと思います。
 企画展『むんだすいぬやーむ 首里城正殿の屋根』では14世紀から現在にかけての首里城の正殿について、その変遷を追いかけていく内容でまとめられており、首里城の発掘調査成果や首里城に関する絵画資料の解説パネルを交えて説明しております。また、首里城内から出土した瓦や令和元年10月31日に首里城が被災した際の赤瓦などの実物資料も展示されています(写真1)。今日、首里城について様々な角度から研究がなされていますが、この展示会では首里城の象徴でもある正殿について、考古学と歴史学の分野で近年に明らかにされた成果を反映させてその実態に迫っており、興味深い展示内容となっています。


写真1 火災を受けた首里城の赤瓦(令和元年12月24日撮影)
※クリックすると拡大します。
 
 この展示の中で最も注目されるのは各時期の首里城正殿をビジュアルで復元を試みている点にあります。これまでの発掘調査で得られた成果や文献史料、絵画資料から類推される外観など限られた情報から、首里城正殿の姿を拾い出し、従来まで見られなかった首里城正殿の様相を見て取ることができる内容となっています。各時期の首里城正殿の姿を目にすることで改めて、首里城は長い歴史と様々な経緯を経て、現在に至っていると感じることができると思います。と同時に、目にすることができる現在の首里城はごく一部であり、見えない部分の魅力が多くあることに気付かされます。
 詳しい展示会の内容については以下のURLにて公開されておりますので、アクセスしていただければと思います。
 
URL:www.josai.ac.jp/~museum/evevt_info/index_2021_5.html
 
 最後に、おきみゅーが所蔵している首里城に関連する貴重資料を30点以上、今回の企画展に出展しております。主に沖縄考古学のパイオニアである多和田真淳氏が1950年代に採集した首里城の瓦(別写真)が展示公開されておりますので、ご来場の際にはこちらにも注目してご覧いただけたらと思います。
(山本正昭)
 
 
写真2 おきみゅー所蔵の多和田真淳氏が採集した首里城表採瓦の一部
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主任学芸員 山本正昭

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