令和3年度の博物館特別展は、自然史・生物分野です。今回のテーマは「進化」。子供から大人まで誰もが楽しめる展示にしたい、という思いから題名を「みんなの進化展」としました。副題の「~命はつながっている~」には、地球上の命あるもの全てが「進化」の糸でつながっている、という意味を込めました。このテーマを象徴する展示物が、140種の生きものたちを散りばめた系統樹『生命の樹(せいめいのき)』です(下図)。眺めているだけで、進化の歴史や生きものどうしのつながりを実感することができる展示物となっています。
個々の生きものをじっくりご覧いただける床面展示の他、壁一面の大壁画としても展示する予定です。もちろん、生きものたちの標本資料もたくさん展示します。博物館の生きものたちは動物園のようには動きませんが、「進化の歴史」、「進化のしくみ」、「進化が起こした奇跡の数々」とともに紹介することで、生きものたちが演じてきたドラマを感じ取っていただけるよう工夫をこらしています。後半には、琉球列島の生きものたちを「進化」の視点で紹介し、改めてその面白さ、貴さに気づいていただけるよう展示を構成しました。手に触れて楽しめる体験コーナーの構想もありましたが、コロナ禍ということもあり断念せざるを得ませんでした。その分、たくさんの工夫をこらしてお待ちしていますので、ぜひ足をお運びいただければ幸いです。
生命の樹(クリックすると拡大します)
特別展「みんなの進化展」~命はつながっている~
開催期間:7月21日(水)~9月20日(月)
場所:沖縄県立博物館・美術館
3F博物館企画展示室
特別展示室1・2
展覧会
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生物担当 主任学芸員 菊川 章