最終更新日:2016.08.31
平成28年11月15日(火)より、博物館特別展「港川人の時代とその後-琉球弧をめぐる人類史の起源と展開」がスタートします。今回は、展示会の概要とみどころをご紹介します。
沖縄では、日本列島の旧石器人を代表する港川人骨(約2万年前)が発見されていますが、石器などの遺物が発見されておらず、当時の人々の文化や生活の様子については詳しいことがわかっていませんでした。しかし、近年の南城市サキタリ洞遺跡(ガンガラーの谷内)の調査などによって、少しずつ当時の文化が明らかになりつつあります。
この展覧会では、人類の起源と進化のあらましを紐解き、旧石器時代の日本列島と沖縄の出土品を比較しつつ、アジアの中での沖縄の旧石器人の特徴とその位置づけを紹介します。また、サキタリ洞遺跡をはじめとする、近年の沖縄における調査研究成果についても、わかりやすく展示します。さらに、旧石器時代以降、九州以北の日本とは異なる展開を遂げた沖縄の人類史についても、沖縄と日本各地の出土品を通してその特徴を紹介します。
なぜ沖縄の旧石器人骨が注目されているのか、彼らはどこから来たのか、沖縄の旧石器時代の文化はどのようなものだったのか。さらに、日本の中でも最も南に位置する沖縄で発達した個性的な先史文化と、日本本土の旧石器文化や縄文文化との類似点や違いについて、実物資料を通して紹介します。また、沖縄の南に広がる西太平洋の島々の文化についても紹介します。ぜひご期待ください。
主任 山崎真治