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【フィールドワーク】伊計島の洞穴を掘る-その1-

最終更新日:2026.01.06

沖縄県立博物館・美術館では、2025年12月中旬に伊計島の洞穴遺跡の発掘調査を行いました。
この調査は、伊計区自治会や琉球大学、うるま市教育委員会、福岡大学の協力を得て、2023年から継続的に実施しており、これまでに約3000年前のお墓や、4000年前の炉あとなど、さまざな人類の痕跡が発見されています。ここではそうした調査のようすをダイジェストでご紹介します。
 
 
洞穴のある伊計島東海岸の航空写真。
金武湾を挟んで対岸に見えるのは沖縄本島です。
 

【2023年の調査】


 
藪の中に開口する洞穴。この中で発掘調査を行っています。
 
 
調査前の洞穴内部。洞床は平坦で利用しやすそうです。
広さは20坪ほどあるでしょうか。

 
表面調査の際に発見された第一次世界大戦時の従軍記章。
なぜここに持ち込まれたのでしょうか・・・?

 
2m×2mの調査区を設定して発掘します。

 
地表下20cmほどの深さで、炉あとと思われる赤く変色した部分が見つかりました。周りには灰?や木炭が散らばっています。

 
洞壁際にはベッド状の岩棚があり、この場所はお墓として利用されていたことがわかりました。

 
岩棚の上面はこんな感じで、一見何もなさそうですが・・・

 
岩棚上の礫を、ノミとハンマーを使って取り除いてみます。
 
なんと、大きなホラガイと人骨が見つかりました!

 
岩棚の下部には横穴があり(矢印部分)、この中からは土器が見つかりました。

 
横穴内部からみつかった土器。
伊計島の仲原(なかばる)遺跡から見つかった、仲原式土器と呼ばれる土器に似ているようです。

 
伊計島の仲原遺跡。今回調査した洞穴は、仲原遺跡の人たちが死者を葬った場所なのかも知れませんね。

【2024年の調査】


 
岩棚部分を調査しているところ。狭くて大変ですが、たくさん人骨が見つかりました。
 
 
洞壁の鍾乳石に取り込まれたホラガイの手前に、上肢の骨(橈骨・尺骨・上腕骨)などがまとめて置かれています。
 

石灰分で固結していますが、下顎骨も見つかりました。
歯の咬耗が進んでいるので、高齢者だったのでしょう。

【フィールドワーク】伊計島の洞穴を掘る-その2-に続く

主任学芸員 山崎真治

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