最終更新日:2024.03.05
当館で行った展示会を当館外、しかも沖縄県外で開催することは想像以上に大変で、展示資料の移動や展示室における展示パネルのレイアウト、更には関係機関への広報といったように展示会場側と連携しながら展示の準備を進めていくことになります。この際に綿密な連絡や事前の調整を何度も重ねていく必要があり、展示開幕日当日まで気を緩めることはできませんでした。今回の展示会場となった城西大学水田美術館スタッフの方々がとても気を回していただいたと共に、こちらの要望を丁寧に聞いていただいたお陰で最終的に立派な展示会に仕上がりました(写真1)。
写真 『英雄 尚巴志』展示の様子
更に当展示会では関連催事として、開幕初日の1月20日に関連講座「沖縄県内に残る尚巴志関連の史跡」を、同日には展示解説会を行い、こちらも多くの方々が参加されました。この時に行われた講座の動画が城西大学水田美術館のyoutubeちゃんねるにて公開しておりますので、参考までに下に挙げておきます。
土曜日に行われた講座並びに展示解説会に参加された方々は、元々琉球史に興味がある方から、これを機会に琉球史を学んでいきたい方といったように、その興味のあり方は様々でした。今回の展示テーマがマニアックであるためか、講座の参加者からは知らない沖縄の深い話が聞けるのではないかという期待を持って参加されたという理由が大半を占めていました。
https://www.youtube.com/watch?v=uP2RPETN5O8&t=2823s
リゾート地・沖縄といった余所行きの顔ではなく、沖縄を歴史の側面から深掘りすると、リアルな沖縄の顔が見えてくる、そのような展示はこれまであまりなかったので展示の内容としては興味を持てたという観覧者の意見がありました。確かに今回の展示では青い海や白い砂浜が写ったものはなく、鬱蒼とした森に鎮座する拝所の写真や、一部崩落した石積みなど、沖縄をイメージさせるような写真はほとんどありませんでした。
普段、沖縄県外で見ることがほぼ皆無であろう沖縄の風景そのものに面白味を感じ取っていただく方が多くいらっしゃったのはある意味、新鮮に感じました。
そして、展示最終日の2月21日には2回目の展示解説会を行いましたが、更なる熱心な参加者が集いました。 (次回へ続く)
主任学芸員 山本正昭