令和2年の12月までおきみゅーのエントランスにて琉球王国時代の首里城建物に葺(ふ)かれていた瓦(かわら)を展示していました。今回は2月から約1か月間の短期間ですが、首里城にて約500年前に使われていた器の破片を当館エントランスで展示しています。実はおきみゅーには首里城から沖縄戦後に採集された中国産の青磁(せいじ)や青花(せいか)、タイ産の褐釉陶器(かつゆうとうき)の破片資料がいくつか保管されています。
これらの資料からは14世紀から15世紀にかけて、琉球王国は海外諸地域との交易を活発に行っていたことが想像されると共に、海洋国家としての繁栄ぶりを窺(うかが)い知ることができます。
15世紀以前の琉球列島内でつくられていた器は主に土器であったことから、中国大陸からもたらされた磁器はかなり目新しく当時の人々の目に映ったと思われます。とくに琉球の人々は青磁を好んでいたと思われる記載が1511年にポルトガル人であるトメピレスが記した『東方諸国記』において見られることや、琉球列島内の遺跡からも大量に青磁の碗や皿が出土していることから分かります。
今回はミニ展示ということで展示点数は約10点とそれ程多くはありませんが、おきみゅーの常設展室に入る前にぜひ見ていただき、琉球王国が歩んできた歴史の一部を知っていたただければ幸いです。
また、おきみゅー後援、沖縄文化研究所が主催しているシンポジウム『グスクとしての首里城―東アジアの視点から―』が3月末までyoutube上で公開していますので、首里城に興味のある方は是非ご覧ください。
〇法政大学沖縄文化研究所主催シンポジウム
「グスクとしての首里城―東アジアの視点から―」
公開期間 2020年11月27日(金)~2021年3月31日(水)
公開アドレス:
https://www.youtube.com/channel/UCcKhhqzK9DI1GtvQUDs4NUg
※YouTube動画配信によるオンライン公開シンポジウムです。
共催 沖縄県立博物館・美術館
写真1 展示準備風景
写真2 展示完成
主任学芸員 山本正昭