1. 企画展 「久米崇聖会創立100周年記念 久米村(クニンダ)一琉球と中国の架け橋一」

過去の展覧会

この展覧会は終了しました

博物館 企画展

企画展 「久米崇聖会創立100周年記念 久米村(クニンダ)一琉球と中国の架け橋一」

2014年09月12日(金) ~ 2014年10月19日(日)

企画展 「久米崇聖会創立100周年記念 久米村(クニンダ)一琉球と中国の架け橋一」
【開催形式】
主催:沖縄県立博物館・美術館
共催:一般社団法人 久米崇聖会、一般財団法人 沖縄美ら島財団
助成:芸術文化振興基金(独立行政法人日本芸術文化振興会)
後援:沖縄タイムス社、琉球新報社、 N H K 沖縄放送局、沖縄テレビ放送、琉球朝日放送、琉球放送、ラジオ沖縄、 F M レキオ、エフエム沖縄、タイフーンfm、沖縄ケーブルネットワーク株式会社
協力:一般社団法人 察氏門中会、林氏渡江会、一般社団法人 金氏門中会、鄭氏義才門中会、一般社団法人久米梁氏呉江会、一般社団法人 沖縄阮氏我華会、公益社団法人 久米国鼎会、王姓門中会(槐王会)、陳氏華源会、一般社団法人 久米同進会、沖縄県立図書館、沖縄県芸術大学附属図書・資料館、久米島博物館、那覇市歴史博物館、沖縄国際大学南島文化研究所、法政大学沖縄文化研究所、沖縄県公文杏館、浦添市美術館
 
【開催趣旨】
久米村は、中国の渡来人が現在の那覇市久米を中心とした地域に築いたコミュニティ ー である。ここに居住した人々は、政治・経済・文化の面から琉球と中国・アジア等の諸国を繋ぎ、琉球王国の外交や学問・文化の振興を支えた。本展示会では、久米村の子孫により設立された久米崇聖会が 2014年に創立100周年を迎えることを契機に久米崇聖会と共同で展示会を開催し、琉球における久米村の役割と清明祭(シ ー ミー )などの文化を琉球にもたらした久米村(クニンダ)の全貌に迫る。
 
【展示内容】
(1) 琉球の外交と久米村(クニンダ)
1372年、琉球は中国と冊封・進貢 (朝貢)関係を結んだ。これにともない琉球の玄関口であった那覇港の北側に形成された中国人居住地が久米村のはじまりとなった。ここに住んだ久米村人は、当時のアジア共通語である中国語を自在に操り、外交文書の作成や通訳 、 航海術などを通じて琉球の外交と海外交易を支えた。その一方、16世紀末頃の海外貿易衰退や1609年の薩摩による琉球侵攻という大きな転換を経た後には、首里王府によって中国との冊封・進貢(朝貢)関係の強化と衰退した久米村の再編・復興が進められた。久米村人は外交のエキスパートとして琉球王国の王府機構に組み込まれ特別な役職や俸給が与えられた。近世琉球の時代の久米村人は中国・日本への外交使節として活躍する 一 方、19世紀には西洋人の通訳を務めるなど、首里王府の外交にとって欠かせない存在だった。
※久米村士族コーナー(家譜等展示)の設置
 
(2) 久米村(クニンダ)の学問と教蓑
近世琉球の時代、「中国外交」に加え「中国外交を支える学問・文化の習得と教授」も久米村の役割となった。このため久米村は独自の教育システムを構築したほか、王族や久米村以外の士族に対し、中国語や中国風の書、中国音楽や芸能を教授するも担った。そのような久米村からは 、程順則という優れた学者や蔡温という儒教を活用した大政治家、鄭嘉訓・元偉のような能書家など、琉球を代表する文人が輩出された。ここでは、豊かな教養を持ち、外交や学問・文化の担い手としての誇りを持った久米村人のすがたを紹介した。
※主要人物コーナーの設置
 
(3) 久米村 (クニンダ)の祭礼 と文化
久米村は、代々維持されてきた中国的な文化・民俗があった。天尊廟や天妃宮など道教に関わる祭祀施設の整備や17世紀に導入された偶教の祖・孔子とその高弟を祀る繹莫祭礼が春秋に行われるようになった。この祭礼は1719年以降、王府が主催するようになった。一方、魔除けである石敢當、先祖供養の行事である清明祭(ウシーミー、シーミー)など、現在の沖縄のほとんどの地域に根付いた風習の導入にも久米村人(クニンダンチュ)が大きな役割果たしたと考えられる。久米村人による中国的な文化・民俗の移入は琉球・沖縄の民俗にも大きな影響を与えた反面、久米村に流入した琉球・沖縄特有の文化・民俗と融合し、久米村独自の祭礼と文化が生み出されてきた。
※チュンジ一体験コーナーの設置
 
(4)近現代の久米村100年
19世紀末、琉球王国は東アジア世界の大変動の影蓉を受け、王国存亡の危機を迎えた。1879年の明治政府による琉球処分が断行されると、琉球王国は解体され、中国との冊封・進貢(朝貢)閥係も打ち切られた。それに伴って、久米村の役割と存在意義も失われた。久米村人のなかには、明治政府に琉球と中国との関係存続を訴えたり、中国で琉球救国の嘆願運動を展開したりする人(「脱清人」)もいたが、日清戦争における日本の勝利(中国の敗北)により、その活動も途絶えた。そのような逆境にあっても、久米村人は琉球王国の海外交易の証である『歴代宝案』を守り、1914年には久米崇聖会を立ち上げ久米至型廟や明倫堂の管理を組織的に行うなど、久米村としての誇りを持ち続けた。しかし、1944年のアメリカ軍による10-10空襲の結果、久米やその周辺地域は焼け野原となった。それでも久米村の結束力は強く、久米崇聖会による久米至聖廟の再建や、久米村の各門中を中心とした多くの組織が文化振興事業や社会貢献活動を行うなど、久米村の範囲を超えた活動も実施されるようになった。
 
【関連催事】
(1) 博物館文化講座
開催場所:沖縄県立博物館・美術館講堂(定員210人)
  • 「久米村人(クニンダンチュ)の家譜を読もう!
開催日:2014年9月20日(土)14:00~16:00
内 容:久米村系士族の家諮を読み、久米村系家諮の特徴と王国での役割を解説する。
講 師:田名真之(沖縄国際大学教授)
参加者:232名
 
  • 「書に遊ぶ~能書家・鄭嘉訓」
開催日:2014年10月13日(月・祝)14:00~16:00
内 容:能杏家・鄭嘉訓や久米村出身者による書をひも解くとともに、書の実演を交えて琉球王国時代の文
人たちによる書の楽しみ方に迫る。
講師:幸喜洋人(書道愛好家)
参加者:86名
 
(2) 久米村 (クニンダ)シンポジウム
開催場所:沖縄県立博物館・美術館講堂もしくは博物館講座室
①「琉球の海外交易と久米村」(3時間)
開催日時:2014年9月13日(土)13:30~16:30 講堂
目 的:琉球と中国をつなぎ、アジア各国との交易を支えた久米村人像を探る。
コーディネーター:赤嶺 守(琉球大学教授)
パネリスト:山田浩世(沖縄国際大学)、深澤秋人(沖縄大学)、冨田千夏(琉球大学附属図書館)
参加者: 240名
 
②「琉球王国の学問・教養と久米村」(3時間)
開催日時:2014年9月27日(土)13:30 16:30 博物館講座室
目 的:琉球の対外政策及び交流上必要であった学問や教養を担った久米村人像を探る。
コーディネーター:田名真之(沖縄国際大学)
パネリスト:渡辺美季(東京大学大学院)、都築晶子(龍谷大学)、前田舟子(沖縄大学)
参加者: 100名
 
(3) 事例報告 「久米村 (クニンダ)の年中行事」
※台風19号の接近のため中止
開催場所:沖縄県立博物館・美術館講堂
開催時期: 2014年10月11日 (日)14: 00-15: 30
目 的:久米村の各門中会の代表者に、現在各久米村門中会で行っているいくつかの年中行事をお話いただき、久米村門中で行われる年中行事の特徴を浮かぴ上がらせる。
コーディネーター:稲福政斉(沖縄国際大学総合文化研究所非常勤講師)
報告者:久米村の各門中会から数名
 
(4) 旗頭ガーエー
開催日時: 2014年 9 月14日 (日)10: 00-11:00
開催場所:沖縄県立博物館・美術館プラザ(屋外多目的広場)
出演者:久米旗頭実行委員会、久茂地盛鶴保存会
参加者: 50名
 
(5)特別芸能公演会「中国芸能と久米村J
開催日時:平成 26年 9 月23日 (火・祝)14:00-16:00
開催場所:沖縄県立博物館・美術館講堂
(定員210人) 参加料無料
内 容:琉球王国時代から伝承・復元された中国芸能と久米村の関係をひも解く。
基調講演:「久米村の芸能」
比嘉悦子(宜野湾市立博物館長)
演 目:「御座楽」御座楽復元演奏研究会、
「路次楽」首里高等学校吹奏楽部、
「湧川の路次楽」:湧川路次楽保存会
(県指定無形民俗文化財)
参加者: 176名
 
( 6 ) 久米村史跡めぐり ※久米崇聖会主催
開催日時: 2014年9月15日(月・祝)・10月5日(日)
開催場所:那覇市久米、若狭周辺
内 容:今に残る久米村に係わる史跡等を巡り、久米村の足跡を知る。
集合場所:一般社団法人 久米崇盟会
(明倫堂・至聖廟管理事務所)
主 管:一般社団法人 久米崇聖会
協 力:那覇市親光協会
参加者: 52名
 
(7) 特別企画「久米村(クニンダ)ゆかりの菓子~受け継がれる味と思い~」
開催日:2014年9月12日(金)~10月19日(日)
提供場所:沖縄県立博物館・美術館カフェ 茶花
内 容:博物館企画展「久米村展」を開催するに当たり、関連企画としてカフェで「久米村」にゆかりのあるお菓子を提供する。
提供菓子:橘餅・冬瓜漬、天妃前まんじゅう
協 力:謝花きっぱん店、天妃前まんじゅうペーチン屋
提供数:約400食
 
(8) 特別企画 「チュンジー大会」 ※久米崇聖会主催
開催日時:2014年10月18日(土)14:00~17:30
開催場所:一般社団法人 久米崇聖会 (明倫堂) 参加料無料
内 容:初心者大歓迎!中国伝来のチュンジーにふれ、腕試しの競技を行う。
主 管: 一般社団法人 久米崇聖会
協 力: 一般社団法人 久米同進会
参加者:16名
 
( 9 ) 担当学芸員による講座およぴ展示解説会
①学芸員講座
開催日時:2014年10月4日(士)14: 00~16:00
開催場所:沖縄県立博物館・美術館講堂参加料無料
参加者:140名
 
②展示解説会
開催日時:2014年9月14日(日)13:00~14:00
2014年9月28日(日)、10月12日(日)、10月18日(土)11:00~12:oo
参加者:延べ204名
※展示期間中の9月28日(日)17時45分から至聖廟で釋奠祭禮が行われた。
※毎週火・木・土・日曜日10:00~12:00と14:00~16:00に、展示室内において久米同進会と博物館ボランティアによるチュンジ一体験コーナーの設置を行った。

企画展 「久米崇聖会創立100周年記念 久米村(クニンダ)一琉球と中国の架け橋一」ちらし裏
 

展覧会情報

会期 2014年09月12日(金) ~ 2014年10月19日(日)
場所 特別展示室1,企画展示室
開館時間 9:00~18:00(金・土は20:00まで) ※入場は閉館の30分前まで
休館日 毎週月曜日
主催 沖縄県立博物館・美術館
シェアしてみゅー

TOP