【開催形式】
主催:沖縄県立博物館・美術館
共催:南城市
特別協力:株式会社南都(おきなわワールドガンガラーの谷)
後援:南城市教育委員会/八重瀬町教育委員会
協力:国立科学博物館/東京大学総合研究博物館/沖縄県立埋蔵文化財センター/糸満市教育委員会/伊是名村教育委員会/伊仙町教育委員会/北谷町教育委員会/おきなわ石の会
【開催主旨】
沖縄県立博物館・美術館では、約2万年前の港川人をはじめとする、旧石器時代人骨化石が数多く発見されている沖縄県の地質的特性を踏まえて、人骨化石と旧石器の発見を目的とした南城市サキタリ洞遺跡の発掘調査を実施しており、2012年度からは沖縄振興特別推進交付金を活用して、大規模な発掘調査を実施してきた。従来、沖縄では旧石器時代の人類が使用した石器などの道具は発見されておらず、また、旧石器時代と縄文時代との間には約1万年にもおよぶ人類史上の空白の時代が存在していた。このため、沖縄の旧石器人がどのような暮らしをしていたのか、その後の縄文時代の人々とどのような関連があるのかといった問題は未解明のままであった。一方、近年のサキタリ洞遺跡における発掘調査では、旧石器時代から縄文時代にかけての「空白の時代」に相当する人骨や石器などの遺物がまとまって発見されており、従来の沖縄史を書き換える成果が得られている。この展覧会では、近年のサキタリ洞遺跡における調査研究成果をわかりやすく紹介するとともに、遺跡出土品を通して、新たに解明されつつある沖縄の旧石器時代から縄文時代にかけての人類とその文化について展示する。本展覧会を通して、広く県民に、沖縄の人類文化の起源をめぐる調査研究の現状を普及・紹介することを目的とする。
【展示内容】
1) 人類の進化と拡散-猿人から旧人まで
1-1 人類の誕生:猿人(サヘラントロプス・アウストラロピテクス) の紹介
1-2 第1次出アフリカ-世界に広がった原人
ドマニシ(グルジア)、ジャワ(インドネシア)、北京(中国) の原人の紹介
1-3 島に生きた原人-フローレス島
ホモ・フロレシエンシスの時代
ソア盆地の発掘調査の様子の紹介
リアン・ブア洞穴とフロレシエンシスの発見
1- 4 謎の人類-デニソワ人
2) 新人たちのグレートジャーニー(第2次出アフリカ)
2-1 アフリカを出た新人の足跡
カルメル山遺跡群(イスラエル) のホモ・サピエンス遺跡
ヨーロッパに進出したクロマニヨン人とネアンデルタール人
2-2 ホモ・サピエンス、アジアへ
アジア最古の人骨(ニアー洞穴)、中国の新人化石(山頂洞・柳江) の紹介
2-3 海と島に生きたホモ・サピエンス
3) 沖縄の旧石器人とその文化
3-1 沖縄の島々
沖縄の島々の固有生物相などの紹介
3-2 旧石器時代の沖縄
港川人・叉状骨器の研究史の紹介
3-3 サキタリ洞遺跡と旧石器人
サキタリ洞の旧石器時代の発掘調査・研究最新成果の紹介
4) そして縄文時代へ
環境の変化、土器の出現とそれに伴う文化の変化等について紹介
【関連事業】
① ガンガラーの谷・ケイブカフェ特別展「サキタリ洞遺跡の3万年」
サキタリ洞出土の土器、獣骨、貝類、カニ爪等を発掘調査のようすを伝えるパネルとともに、ケイブカフェ内に特別展示した。
日時:2014年2月18日(火) ~3月16日(日)
場所:サキタリ洞(ガンガラーの谷ケイブカフェ)
入場料:無料
② 展示解説会
速報展展示会場内にて解説会を開催した。
日時:2014年2月20日(木)・22日(土)
① 13:00~ ② 15:00~ の2回開催
場所:沖縄県立博物館・美術館博物館特別展示室
③ ケイブカフェ特別講演会「サキタリ洞遺跡の3万年」
日時:2014年3月1日(土) 18:00~20:00
場所:サキタリ洞(ガンガラーの谷ケイブカフェ)
講師:山崎真治(沖縄県立博物館・美術館主任)
参加費:無料