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哀愁と血の造形―嘉手川繁夫の世界―
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企画展
哀愁と血の造形―嘉手川繁夫の世界―
2008年07月15日(火) ~ 2008年08月03日(日)
第1章 哀愁の沖縄
1950年代、嘉手川繁夫は「沖縄」を表現することにこだわり、創作活動をスタートさせた。「哀愁」という言葉には沖縄の歴史的悲哀と、また一方でそうでない「豊かな沖縄」への想いという複雑な心情が込められている。「哀愁の沖縄」(第10回沖展出品作)は多摩美術大学在学中の1956年に描かれ、嘉手川の創作活動の原点といえる作品である。このほか「裂かれた風景」「島人」など初期の代表作を紹介する。
第2章 マチエール
1960~70年代はレジスタンス色の濃い作風から次第に、素材そのものの持つ力を追及していくようになる。胡粉に接着剤を混ぜた独自の下地材を用いて、立体的なマチエールの表現に没頭していく。こうして生み出された作品は工芸的要素を帯びつつも独自性の高い表現として美術界から注目を浴びた。「いのちの飾り」、「南国妖花」、「あけもどろの花」など、嘉手川のほとばしる情熱の痕跡を紹介する。
第3章 鉄の造形
1969年頃より嘉手川は民具収集を始める。生活用具として作られ、時を経てなお自然に適った美しさを放つ道具たちのその「無名性」に惹かれ、創作の新たな境地を見出した。近年、江戸時代の鉄を使って制作された造形作品は、素材の持つ力にこだわり続けた絵画の延長線上にあるといえる。「輪の家」「天の輪・地の輪」から感じられるのは古い鉄がかもし出す時空感覚、さらには沖縄の信仰世界を彷彿させる。
第4章 マブイズム
嘉手川の造語である「沖縄のマブイ(魂)信仰を尊重する考え方」には、沖縄の土着の魂、精神性が込められている。「沖縄」を追及し模索し続けてきた画家が探り当てた一つの到達点が「マブイズム」の世界だったのかも知れない。近年は、絵画、立体といった作品形態の枠を飛び越え、思想性豊かな創作活動を展開している。絵画の「マブイ」、「愛」、「いのち」といったテーマは、刃物を輪で包み込むといった鉄の造形作品「輪のつらなり」につながる普遍的世界を象徴しているといえる。
主催:文化の杜共同企業体/沖縄県立博物館・美術館
特別協力:泡瀬復興期成会、お菓子のポルシェ(御菓子御殿)
協賛:株式会社琉球銀行
チラシのダウンロードはこちらから
展覧会情報
会期
2008年07月15日(火) ~ 2008年08月03日(日)
場所
企画ギャラリー1,企画ギャラリー2
開館時間
9:00~18:00(金・土は20:00まで) ※入場は閉館の30分前まで
休館日
毎週月曜日
主催
沖縄県立博物館・美術館 、文化の杜共同企業体
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