※新型コロナウイルス感染の拡大防止のため、開催を中止させていただきます。
講師:篠原あかね(美術工芸担当)
美術工芸の歴史は、琉球王国時代から現代へ続く壮大な物語です。本講座では、まず王国時代の美術工芸の歴史を8分野(絵画、木彫、石彫、漆芸、染織、陶芸、金工、三線)に分けて、略年表に沿って紹介します。続いて、8分野65件の文化財を模造復元する「琉球王国文化遺産集積・再興事業」を通して得られた美術工芸に関わる発見を紹介します。例えば染織の分野では、1479年に宮古・八重山地方で苧麻布が織られていた記録が残されています。さらに1524年には、冠(ハチマチ)の色で階位を定めたとする記録もあります。このように記録はあっても、当時どのように製作していたのかなど詳しいことはわかっていません。過去を知る手がかりのひとつは、今に伝わる文化財を詳しく研究して改めて製作することです。「琉球王国文化遺産集積・再興事業」では、文化財の模造復元を通して多くの発見がありました。講座を通して、王国時代と現代を繋ぐ発見が、新たな美術工芸史の物語を紡いでいることを伝えます。